経営・戦略

2026.08.17 10:00

労働者の35%が「使い捨て」にされる時代 AIが加速させる企業と労働者の関係変化

stock.adobe.com

デロイトのような例は、使い捨て労働者の増加は「AIによって引き起こされているわけではないが、AIによって悪化する」というオスターマンの見方を裏づけている。AIが、組織にとって今後何が必要になるのかについて不確実性を生んでいるためだ。

advertisement

AIの影響

「AIの全体的な影響がどうなるのかを正確に知っている人はいないと思う」とオスターマンは語る。「雇用を増やすのか。生み出す以上に雇用を奪うのか。現時点ではまったく不明だ」

多くの企業が将来必要となる人員を見通せない結果、組織は経済的な問題に直面している。健康保険やその他の福利厚生を支払わずに済むよう、使い捨て労働者を雇う方が財務上有利になるのだ。

「AIがこれを悪化させるというのは、そういう意味だ」と彼は付け加える。「私は雇用全体の水準について話しているのではない。正規従業員と使い捨て労働者の構成比について話しているのだ」

advertisement

オスターマンによれば、使い捨て労働の増加は、エントリーレベルの労働者により強く影響する可能性がある。既存のシニア人材を解雇するよりも、新たな若手従業員を採用しない方が容易だからだ。

「解雇にはコストがかかる」と彼は説明する。「また、残された従業員の士気低下というコストも発生する」

労働者はどう対応すべきか

オスターマンは、一定のキャリア上の安定を求める労働者に対し、2つの助言をしている。

「1つ目は、労働市場における力の源泉は、自分の人的資本、つまりスキルだけだということだ」と彼は言う。「できる限り多くのスキルを身につけるべきだ。転職したり、職場を移ったりせざるを得ないこともあるかもしれないが、価値あるスキルがあれば、それが自分を守ってくれる」

第2に、従業員は外部ネットワークの構築に多くの労力を注ぐべきだと彼は言う。キャリア形成を1社に過度に依存しないためである。

「外部とのつながりを持たなければならない」と彼は述べる。不確実な雇用市場においては、機会や紹介を求める際に頼ることのできる幅広い人的ネットワークを持つことが重要だと強調する。

「低賃金のサービス職や低スキル職に就く人々に対しては、まったく異なる助言が必要になる」と彼は説明する。「もちろん、できる限り教育を受けるべきだという助言はする。だが、もう1つの助言は、実効性のある職業訓練プログラム、実効性のある最低賃金、そして労働市場の底上げを企業に促す実効性のある圧力をどう確保するかという、公共政策の問題だということだ。個人の問題というより、個人として大きな力を持たない人々が労働市場の大きな部分を占めているという問題なのだ」

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事