目指すは格闘技の殿堂、マディソン・スクエア・ガーデン! K-1社長が明かす「グローバル化戦略」

2027年には「K-1 WORLD GP 2027 -90kg世界最強決定トーナメント」も開催される。8月1日のロシアを皮切りに、7つの国と地域で世界予選が実施される。各地域を代表する選手が世界最強の座を争う、いわば「立ち技格闘技のワールドカップ」だ

柔道の仕組み化とグローバルを実現した嘉納治五郎

〈嘉納治五郎(1882〜1938年)が講道館柔道を創設したのは1882年(明治15年)のことだ。古武術である柔術をアレンジして「一本」「技あり」「有効」といったルールを設定し、囲碁や将棋にならって段位制も導入した。誰にでもわかりやすい「仕組み作り」を完成させた後、巧みなロビイングによって柔道をオリンピックの正式種目に追加させた(1964年の東京オリンピック)。柔道のグローバル展開も嘉納治五郎の功績だ〉

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大木 1993年に始まったK-1は、前運営会社の倒産を経験しながらもしつつ、2023年に創設30周年を迎えました。M-1スポーツメディアは、新生K-1が始動した2014年から本格的な大会運営や事業をスタートしており、私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。

「100年続くK-1を」と大スローガンを掲げつつも、私自身は日々毎日生きることに必死ですし「ああ、今日も生き切った」と思いながら1日を終えています。

新卒の社員が入ってくるときに、必ずこう言うんですよ。

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「これから大変だよ。いくらK-1が好きで入社しても、きっと辛いこともある。大変な思いもする。だけど、つまらない日は1日もないからね」

2014年にK-1の仕事を始めてから10年余りの私の日々は、文字どおり一瞬で終わりました。「昨日と同じだ」と思った日は、ただの1日もありません。興行の仕事は浮き沈みの連続です。毎日何か事件が起きて、毎日何かに怒っています(笑)。

大木 知葉|M-1スポーツメディア 代表取締役(写真=帆足宗洋)
大木 知葉|M-1スポーツメディア 代表取締役(写真=帆足宗洋)

大木 無の感情では、熱量なんて絶対に生み出せません。ずっと発火し続け、燃え盛った火を消火しないで10年以上走り続けてきました。このままエネルギーを絶やさず燃え続けながら、代表として引退の日を迎えたい。いずれどこかのタイミングで誰かにバトンタッチしたあとは、次の世代の人材がK-1を40年、50年、100年と持続させてくれるはずです。

アジア、ユーラシア大陸、北南米、中東やアフリカに至るまで、柔道は世界中に広がりました。その柔道がオリンピックの正式種目になってから(1964年)、実はまだ100年も経っていません。空手が正式種目になったのは東京オリンピックのみ(2021年)、韓国のテコンドーが正式種目に加わったのは2000年のシドニーオリンピックからです。

いつの日か、世界各国の代表選手がオリンピックでK-1を戦う日を夢見ながら、「100年続くK-1」の構築へ向けて今日もひた走ります。(前篇はこちら


おおき・ともは◎1976年生まれ。武蔵大学卒業後、スポーツ新聞社に入社。2003年、総合格闘技PRIDEの運営会社へ転職。2014年の新生K-1立ち上げに参画し、育児をしながら武尊(たける)選手(K-1の3階級制覇王者)のマネジメントに約8年間従事。2023年より現職。小中学生の大会無料招待も企画。

文=荒井香織

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