また、ケネディ宇宙センター(フロリダ州)の打ち上げサイト「LC-39A」では、これまでファルコン9でクルードラゴンなどを打ち上げてきたが、そのすぐ脇にスターシップ用の新たなパッドを建設しており、現在はほぼ完成状態にある。さらに、同宇宙センターに隣接するケープカナベラル宇宙軍基地のサイト「SLC-37」には、スターシップ用のパッド1とパッド2の基礎工事も進められている。
着陸から1時間以内に同じブースターによる再打ち上げを目指すマスク氏は、「スペースXは1年後、スターシップを少なくとも1日1回打ち上げているだろう」(8月4日決算発表)と発言。これが楽観的すぎる見積もりだとしても、同社はそうした運用に向けて着々と準備を進めている。
また、8月11日にスペースXは、米海洋エネルギー管理局(BOEM)に意見書を提出し、将来的にスターシップを海上から打ち上げ、回収できるよう、政府が管轄する海域の使用許可を求めていることも明らかになった。つまりスペースXは、石油掘削プラットフォーム(リグ)を買い取って海上発射台に改造する、もしくは新規で巨大射場を海上に建造しようとしている。これが実現すればスターシップによる騒音と安全性の問題が軽減され、FAAなどの規制を簡略化でき、同社はかつてなく巨大な宇宙機を24時間、何機でも打ち上げられるようになる。
2025年にスペースXは、123機のファルコン9(全長70m)で、トータル3180基のスターリンクV2ミニを打ち上げた。こうした運用がスターシップV3(124m)とスターリンクV3に切り替わる日が近づいている。世界のAI需要が急速に高まるなか、軌道上通信システムにおいては莫大な帯域幅(データを一度に送る能力)が求められる。マスク氏は、V2ミニの100倍の帯域幅を目指すスターリンクV3に早々に切り換えることで、この需要に応えようとしている。


