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2026.08.13 17:14

データセンターが渇望する「電力」、自動車業界がすでに握るその鍵

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信頼できる電力の確保が、データセンターの建設を進めるハイパースケーラーたちの足かせとなっている。この課題を表す言葉として生まれた「スピード・トゥ・パワー(電力確保の迅速化)」というフレーズは、AI需要に対応するための安定した電力を執念深く探し求める業界の原動力となっている。この追求の過程で、ハイパースケーラーたちは、意思決定の遅さと厳しい規制で知られる電力セクターについて猛勉強することになった。皮肉なことに、この「スピード・トゥ・パワー」をもたらすのは、人々が毎日運転している何百万台もの乗り物という形で、自動車業界が提供するものになるかもしれない。

米国のデータセンターの電力需要は、2035年までに176ギガワットに達し、現在の5倍に膨らむ可能性がある。これほど膨大な電力を供給することは、数十年にわたりほとんど成長しておらず、設計寿命を大幅に過ぎたインフラで稼働している電力業界にとって、途方もなく重い負担となる。

ウサギとカメ

データセンター開発企業にとって、十分な電力を確保することは1つのハードルだ。しかし、AIの進化のペースに追いつくほどの速さでそれを確保することは、まったく別次元の課題である。ハイパースケーラーたちが初めて電力会社と大規模な交渉を行ったとき、両業界のギャップは一瞬にして浮き彫りになった。資金と技術力を注ぎ込むことで問題を解決することに慣れているグーグルやメタのような企業は、どれほど巨額の資本を投入しようともプロセスの進まない規制システムに直面した。それは、電気料金支払い者への影響調査や、複数年に及ぶ信頼性検証を中心としたシステムである。1、2年以内に新しいデータセンターを稼働させたい企業にとって、7年から9年もかかる電力会社の供給スケジュールは論外だ。その結果、データセンター業界は、利用可能なあらゆる代替手段の調査と投資を開始した。

そうした取り組みのなかには、常軌を逸していると思えるようなものもある。グーグルは核融合エネルギーの売電(オフテイク)契約を締結した。この技術は商業化までにまだ何年もかかり、長期的な期待は別として、当面のスピード問題を解決できる可能性は低い。エヌビディアの投資部門は、テラパワーのナトリウム(Natrium)原子炉技術に6億5000万ドル(約1030億円)を出資した。さらに、既存の送電網を完全に捨てることに賭けている企業もある。スペースXとxAIは、地上の送電線を待つ代わりに、軌道上での無限の太陽光発電を求めて、AIデータセンター衛星群の構築許可を連邦規制当局に申請した。この「あらゆる手段を講じる」戦略において、それほど突飛ではなく、より実証されており、短期間で実現可能な解決策を見つけるには、すでに存在し、車道に停まっているものに目を向けるだけで十分かもしれない。

自動車という、予期せぬ発電所

ハイパースケーラーたちが型破りな解決策を試す一方で、電気自動車(EV)はより即効性のある解決策を提示できる可能性がある。それは、スクールバスや配送用の車両、自家用車などにすでに分散している、膨大で未開拓の蓄電能力である。「V2G(Vehicle-to-Grid)」と呼ばれる技術は、これらのバッテリーに蓄えられた電力を送電網に逆放電させることで、駐車中の何百万台もの車両を分散型発電所に変える。大規模に集約されれば、EVフリート(車両群)は従来の大型発電所の出力に匹敵し、ハイパースケーラーが必要とする調整力のある電力を供給できるようになる。

EVのバッテリーは、テスラ「パワーウォール(Powerwall)」などの住宅用蓄電池を圧倒する。テスラ「モデル

Y」のバッテリー容量は約78キロワット時で、パワーウォールの13.5キロワット時のほぼ6倍に相当する。その潜在的な規模は計り知れない。「憂慮する科学者同盟(UCS)」とエボルド・エナジー・リサーチによる2025年の共同調査では、対象車両として現実的な割合である200万台のEVが「車両とグリッドの統合」プログラムに参加すれば、カリフォルニア州の送電網だけでも累計17.2ギガワットの電力を供給できることが明らかになった。

「発電所」が走り去ってしまう懸念

設置型の蓄電池とは異なり、車は走り去ってしまうため、信頼性に疑問が生じる。しかし、米国エネルギー省のデータによると、家庭用車両は1日の約95%の時間を駐車状態で過ごしており、運転されるのは平均して1日約65分にすぎない。つまり、車のバッテリーはその寿命の大半において、ほとんど何もしていない状態にある。

車両群が十分に大きければ、その遊休時間はランダムではなく予測可能なものになる。電力会社はすでに、制御可能な給湯器を集約したプールで同じ論理を利用しており、現在も数百メガワット規模の削減可能な電力を提供している。適切なプログラム構造と、それを管理する技術主導のインテリジェンスがあれば、V2G対応車両の車両群は、個々の車が出入りしても、同種の確実でモデル化された容量を約束できる。

余剰電力の活用

バッテリーによる蓄電は需要のピークをずらし、調整することができるが、充電するための電力が必要である。オフピークの時間帯には、そうした電力が豊富に存在する。米国全土で年間約2000万メガワット時の風力や太陽光による余剰電力が使い切れずに出力抑制(カット)され、無駄になっている。テキサス州では、テキサス電気信頼性評議会(ERCOT)が2024年に8テラワット時以上の風力および太陽光エネルギーを出力抑制した。従来の発電所はさらに多くの電力を提供でき、オフピーク時の化石燃料発電だけで500〜700ギガワットの利用可能容量がある。最適化されたEVバッテリーの放電と組み合わせたインテリジェント充電は、この休眠中の供給能力を送電網用の分散型電力へと変え、最も負荷のかかる需要ピークを平準化する。

データセンターは、今世紀最大のインフラ問題の1つを定義することになるだろう。その電力需要を満たすには、電力業界がここ数十年にわたり行ってきた方法よりも迅速、かつスマートに、新たな供給体制を構築する必要がある。車両と送電網の統合(V2G)は、新設の発電所が稼働するのを何年も待つのではなく、すでに道路を走っている資産を活用する、真の「スピード・トゥ・パワー」の解決策を提示する。これがどのように市場に投入されるかは注目に値する。電力会社がようやく、短期的につなぎとめられるレバーを見出すことになるかもしれない。より可能性が高いのは、ハイパースケーラーが数万台のバスや自家用車からなる車両群を買い取るか、丸ごとリースし、そのバッテリーの一部を利用する権利を得ることだ。これは、核融合の売電契約や宇宙のデータセンターへの巨額投資を後押ししている「電力会社を迂回しようとする」本能と同じである。しかし、V2Gによる「スピード・トゥ・パワー」の解決策は、技術的な大躍進よりも、堅実なビジネスモデルと優秀な自動車販売員を必要とすることになるだろう。

forbes.com 原文

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