自社製のPixelデバイスにとどまらず、Androidの機能や魅力を掘り下げる講座、ビジネスパーソンから支持を集めるGoogle Workspaceの活用セミナー、YouTubeクリエイターを招いたゲストイベントなど、多彩な企画を展開できれば、Google Store 表参道が「グーグル全体」と生活者をつなぐブランド接点に成長する可能性は大きい。
テクノロジーとAIの可能性を育む
Google Store 表参道の空間デザインを率いたチーフデザインオフィサーのアイビー・ロス氏は、「ブランドとして同じ顔を保ちながら、それぞれの土地で固有の特徴を備えるストアをつくってきた。表参道のストアも同じバランスを大切にしている」と語る。夜に提灯を思わせる柔らかな光を放つファサード、滑らかな木の手すり、丸みを帯びた角など、日本の工芸性とPixelのデザイン言語を重ねている。
さらに、デバイスの試作段階で生まれた未発表の「色やマテリアル」を使った部材を元につくった表参道限定のアクセサリー「Recrafted by Google Pixel」も、Google Store初の挑戦だ。本来であれば廃棄される試作段階の部材が、美しく価値の高い商品に生まれ変わった。
ロス氏は「このストアでは、クラフトマンシップの水準を一段高めている」と語る。壁面や天井、階段の手すりなどにあしらった天然木の素材が、店内に心地の良い温かみを満たしている。
インスタレーション「California Dreaming」をストアのエントランスに設置した背景には、豊かな自然の色彩や鉱物に囲まれたカリフォルニアで育まれた、グーグルのデザインの原点ともいえる感覚を、ものづくりに対して鋭い審美眼を持つ日本のユーザーやクリエイターに伝えたいという意図がある。
ロス氏は「デザインでは、見た目だけでなく、人にどのような感情をもたらすかがとても大切」なのだと語る。Google Storeの主役は、製品棚に並ぶプロダクトだけではないのだ。
グーグルは象徴的な実店舗を少しずつ増やすことで、Geminiをはじめとする独自技術により多くの人が触れ、体験を共有し、その可能性を語り合う文化を育てようとしている。Google Store 表参道はまだ「完成形」ではない。訪れる人々や地域との対話を重ねながら、この場所がどのように変化し、成長していくのか楽しみだ。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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