テクノロジー

2026.08.14 11:00

グーグルが表参道に「世界最大の直営店」をつくった理由──AI時代のブランド価値創造

東京都渋谷区、原宿の神宮前交差点エリアに「Google Store 表参道」がオープンした

自社製のPixelデバイスにとどまらず、Androidの機能や魅力を掘り下げる講座、ビジネスパーソンから支持を集めるGoogle Workspaceの活用セミナー、YouTubeクリエイターを招いたゲストイベントなど、多彩な企画を展開できれば、Google Store 表参道が「グーグル全体」と生活者をつなぐブランド接点に成長する可能性は大きい。

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2階のフロアに設けられたイベントスペース。人気のYouTuberを招いたイベントなどが開催されることを期待したい
2階のフロアに設けられたイベントスペース。人気のYouTuberを招いたイベントなどが開催されることを期待したい

テクノロジーとAIの可能性を育む

Google Store 表参道の空間デザインを率いたチーフデザインオフィサーのアイビー・ロス氏は、「ブランドとして同じ顔を保ちながら、それぞれの土地で固有の特徴を備えるストアをつくってきた。表参道のストアも同じバランスを大切にしている」と語る。夜に提灯を思わせる柔らかな光を放つファサード、滑らかな木の手すり、丸みを帯びた角など、日本の工芸性とPixelのデザイン言語を重ねている。

さらに、デバイスの試作段階で生まれた未発表の「色やマテリアル」を使った部材を元につくった表参道限定のアクセサリー「Recrafted by Google Pixel」も、Google Store初の挑戦だ。本来であれば廃棄される試作段階の部材が、美しく価値の高い商品に生まれ変わった。

Pixelデバイスの試作後に、余った部材をアップサイクルしてつくられた表参道・限定のアクセサリー「Recrafted by Google Pixel」
Pixelデバイスの試作後に、余った部材をアップサイクルしてつくられた表参道・限定のアクセサリー「Recrafted by Google Pixel」

ロス氏は「このストアでは、クラフトマンシップの水準を一段高めている」と語る。壁面や天井、階段の手すりなどにあしらった天然木の素材が、店内に心地の良い温かみを満たしている。

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インスタレーション「California Dreaming」をストアのエントランスに設置した背景には、豊かな自然の色彩や鉱物に囲まれたカリフォルニアで育まれた、グーグルのデザインの原点ともいえる感覚を、ものづくりに対して鋭い審美眼を持つ日本のユーザーやクリエイターに伝えたいという意図がある。

ロス氏は「デザインでは、見た目だけでなく、人にどのような感情をもたらすかがとても大切」なのだと語る。Google Storeの主役は、製品棚に並ぶプロダクトだけではないのだ。

グーグルは象徴的な実店舗を少しずつ増やすことで、Geminiをはじめとする独自技術により多くの人が触れ、体験を共有し、その可能性を語り合う文化を育てようとしている。Google Store 表参道はまだ「完成形」ではない。訪れる人々や地域との対話を重ねながら、この場所がどのように変化し、成長していくのか楽しみだ。

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連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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