壁面には18個の立体オブジェを飾った額縁が並ぶ。Pixelシリーズなど、グーグルのプロダクトに採用された再生素材や梱包材料などの構成要素を並べ、サステナブルなものづくりを紹介している。このアーティスティックな試みも、ほかのGoogle Storeでは見られない。
東京にGoogle Storeを拡大する理由
Google Storeは2021年にニューヨークのチェルシーから始まり、その後の5年間で米国に10店舗を展開してきた。本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューでは、ストアに加えて一般客が利用できるカフェやイベント空間も設け、地域との接点を広げている。
米国外初の地に東京を選んだ理由を、Google Store担当ヴァイスプレジデントのマウリア・フィンリー氏は、日本がGoogle Pixelにとってとても重要であり、ユーザーが拡大し続けている市場だからだと説明する。「日本のユーザーは品質や緻密なデザイン、先端技術への感性がとても高い。だからこそ、ブランドに深く没入できる体験を届けたいと考えた」のだという。
2026年は、グーグルが東京に米国外初のオフィスを開いてから25周年のアニバーサリーイヤーだ。フィンリー氏は表参道店を、日本の利用者への感謝と長期的なコミットメントの表明であると同時に、世界のストアづくりへ学びを還元する場と位置づける。この時期に東京での出店を決めた背景には、日本の市場規模を拡大することだけが目的ではなく、グーグルが日本で築いてきた関係をさらに深める狙いもあったようだ。
表参道店でのAI体験を厚くした理由も、その戦略につながっている。フィンリー氏は「ハードウェア、ソフトウェア、AIが交差する今のグーグルを、五感を使うフィジカルな場所で体験してもらいたい」と語る。デバイスのスペック表だけでは伝わりにくいAI体験の価値を、驚きや創作の楽しさとして身体に染みこませる。実店舗はAI時代におけるグーグルのショールームであると同時に、利用者が何に戸惑い、何に興味を持つのかを直接つかむ観測点としても、その役割を担っている。
現時点で、店舗体験の中心にあるのはPixelとGeminiだ。検索やAndroid、Google Workspaceなどへ対象を広げる具体的な計画は、まだ決まっていないという。ただ、2階のイベントスペースではこれから様々なコミュニティ・イベントの開催を予定している。


