「キャリアの苦痛反応」vs「燃え尽き」
燃え尽きた従業員は、消耗し、シニカルになり、何とかして仕事から逃げたいと思っているかもしれない。休息を十分に取ったり、エネルギーを取り戻したり、業務量を変えたりすれば、少しずつ改善されていくこともあるだろう。これに対して、キャリアの苦痛反応を経験している人は、何とかして解放されたいと思う一方で、仕事から離れることができずにいる。
休暇を取ったとしても、メールを確認し、電話に応じ、自分が休んでいるあいだに職場がどうなっているのかを気にしたりする。境界線を引いても、それを維持できずに、すぐさま罪悪感を覚えるかもしれない。きつい仕事を辞めて転職しても、次の職場で似たような状況に再び陥ってしまうこともある。
こうした場合に問うべきは、単に「自分は疲れているか」だけではない。「生産的でない時、成果を上げていない時、何も達成していない時、問題を解決していない時、必要とされていない時、自分はいったいどんな人間なのか」という、より本質的な質問だ。
休んでいると不安を覚えたり、成功しても満足を決して感じられなかったり、自分に対する批判を、自分の価値に対する「判定」と感じたりしているなら、単なる疲労にとどまらない問題を抱えている可能性がある。
「キャリアの苦痛反応」を示唆する6つの危険なサイン
ペレス=リトウィン博士は、キャリアの苦痛反応が表れるかもしれない領域として、以下の互いに関連し合う6つを挙げている。
1.職業とアイデンティティの融合:仕事における肩書や生産性、実績を、自分のアイデンティティと切り離せなくなる。地位を失ったり、否定的なフィードバックを受けたりすると、自分の一部が損なわれたような気持ちになる。
2.感情的な苦痛:職場での日常的な出来事をきっかけに、過度に不安や怒り、羞恥心を覚えたり、パニックを起こしたりする。
3.認知的な苦痛:1日の業務を終えてしばらく経ってからも、頭が絶えず動き続けている。頭の中でその日の会話を振り返ったり、問題はないかと心配したり、ミスを探し続けたりする。
4.身体的な苦痛:慢性的な疲労や不眠、筋肉の緊張、頭痛など、ストレスに関連した症状を通じて、体が負担を抱え始める。
5.人間関係の断絶:ハイアチーバーは、物理的には家族や友人と一緒にいても、心は別の場所にあって上の空、ということがある。
6. 強迫的な過重労働:意識的に選択しながら仕事をしている、とは思えなくなる。働いていないと、不快感や不安、罪悪感に苛まれる。
自分がどういう状況にあるのかを判断するために、こう問いかけてみよう。「もし明日仕事を失ったとしても、自分が何者であるかわかっているか」と。成功したプロフェッショナルの多くにとって、この質問に答えることは予想以上に難しい。


