ユーザーは今起きている出来事のある一瞬を捉えた投稿(スナップ)を見るだけでなく、別の視点からのスナップを見ることで、そのイベントについてより深く知ることができる。これまでStoriesに掲載するコンテンツのキュレーションは、社員が人力で行っていたが、Story Explorerでは同社が新たに開発したテクノロジーが行う。この新機能は、11月23日にニューヨークとロサンゼルスで提供が開始された。ユーザーがあるスナップを見て画面をスワイプすると、同じイベントを撮影した写真や動画が10個ほど表示される。画面を下にスワイプすれば、元のスレッドに戻ることができる。スナップチャットは、近日中に他の都市でもこのツールが使えるようにするとしている。
「我々がキュレーションをした画像やStoriesだけでは、実際の出来事を捉えきれないことがあります」とスナップチャットは公式ブログで書いている。
「ある瞬間を写した投稿に刺激を受けたり興奮を覚えたら、画面をスワイプすれば同じ瞬間を様々な角度から見ることができます。例えば、バスケットボールの試合で、勝負を決めた最高のダンクシュートをスタジアムのあらゆる場所から見たり、ニュース速報が流れたら、まるで現場にいるような臨場感を味わえるのです」
ソーシャルアプリの多くは、現在進行中の出来事のライブ配信に力を入れている。スナップチャットの新機能もこうしたトレンドを反映したものと言える。今夏にはフェイスブックが動画をライブ配信する機能をリリースし、インスタグラムはキュレーションされたイベントやトレンドを閲覧できる「Explore」機能を強化している。10月には、ツイッターが「Moments」タブを新たに設置している。
ソーシャルアプリはユーザー獲得や広告収益を巡って激しい競争を繰り広げている。フィデリティ・インベストメンツは、保有するスナップチャット株の評価を第3四半期に25%減らした。市場ではスナップチャットの現在の評価額に対して疑念が生じている。今年初めに実施された投資ラウンドでの評価額は160億ドル(約1兆9,200億円)だった。スナップチャットの現在のDAUは1億人で、一日当たりの動画の視聴回数は60億回以上だとしている。一方、インスタグラムのMAUは4億人に達し、ツイッターのMAUは直近の実績で3億2000万人となっている。