リーダーシップ

2026.08.13 14:44

職能から能力へ──AIが変えるプロダクト開発の未来

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プロダクトマネージャーは2030年までに姿を消す。これが、2026年版Products That CountのCPOインパクトレポートから得られた大きな示唆の1つである。一見すると、「AIが仕事を奪う」といういつもの悲観論に聞こえるかもしれない。だが、深く見れば、その物語ははるかに興味深く、前向きなものだ。

データが示す事実はこうだ。プロダクトマネージャー職は確かに減少しており、全体で30%減、SaaS分野では70%減となっている。しかし同時に、AIが「プロダクトビルダー」という新たな役割を生み出している。

50万人を超えるプロダクトマネージャーを支援するグローバルな非営利ネットワークであるProducts That Countは、プロダクトビルダーを、プロダクト思考、技術への流暢さ、デザイン判断力、ビジネス理解を組み合わせ、アイデアから成果へ素早く移行できる人材と説明している。プロダクトビルダーは、エンジニアリング、デザイン、プロダクトマネジメントのいずれの出身でもよい。重要なのは、価値創出の全プロセスを自ら担える能力である。CPOインパクトレポートによれば、プロダクトビルダーの数は近年ほぼ3倍となり、60万人から170万人に増えた。

プロダクト領域におけるこの変化は、AI時代のビジネスをリードしようとする経営層にとって、より大きな問いを投げかけている。あなたの組織は、職能ではなく能力を軸に仕事が編成される未来に備えているだろうか。

構築コストが下がれば、構築量は増える

プロダクト領域におけるこの進化は、テクノロジー史を通じて繰り返し見られてきた古いパターンをなぞっている。何かをつくるコストが下がると、創造への需要は高まる傾向がある。

例えば、モバイル開発が登場したとき、多くの人は、開発ツールが使いやすくなれば開発者への需要は減ると予測した。だが実際には逆のことが起きた。開発の障壁が下がったことで、アプリケーション、プロダクト、ビジネスが爆発的に増えたのである。Products That Countの創業者兼取締役会長であり、Mighty Capitalの創業マネージングパートナーでもあるSC・モアッティ氏は、私の取材に対し、アプリをすばやく構築することはすぐに簡単な部分になったと語った。本当に重要な仕事は、それを維持し、顧客ニーズに合わせて進化させ、長期にわたって関連性を保ち続けることだった。

AIはソフトウェア開発にも同様の経済性をもたらしている。何十年もの間、ソフトウェア開発は高コストで、時間がかかり、多くのリソースを必要とするものだった。組織は長い開発サイクルを通じて働く大規模な専門家チームを必要としていた。こうした条件が、職能別のサイロを生み出した。プロダクトマネージャーが要件を管理し、デザイナーが体験を設計し、エンジニアがソリューションを構築していた。

私の会社であるCentric Consultingでは最近、アプリケーションのモダナイゼーションを加速するためのエージェント型プラットフォームを構築した。これまでは10人のチームが1年がかりで取り組む必要があった作業が、AI支援によってより小規模なチームで、より短期間に完了できるようになっている。組織がかつて「コストがかかりすぎる」と判断していたレガシーアプリケーション、技術的負債、モダナイゼーション案件が、突如として経済的に成立するようになったのだ。

このような状況では、実行能力はもはや主要な制約ではない。どの機会に注力すべきかを判断することのほうが、より難しい課題になる。

新たなボトルネックは「人間の判断力」

しかし、実行コストが下がるにつれて、新たな制約が浮上する。いまや多くの企業が、製品をマーケティングする以上のスピードでプロトタイプを作り、構築し、ローンチできる状態にある。AIが実験のコストを下げるほど、「何をつくるか」「いつつくるか」「そこからどう価値を生み出すか」を見極めることが、ますます重要になる。

AIは要件を生成し、プロトタイプを作成し、コードを書き、アプリケーションをテストし、ドキュメントを作成できる。だが、その取り組みが意味のある顧客課題を解決するのか、事業戦略と整合しているのか、組織のリソースの最善の使い方なのかを判断することはできない。AIが実行を担うほど、顧客ニーズ、事業上の優先事項、技術的可能性を結びつけ、一貫したプロダクト戦略へとまとめられる人材の価値は高まる。ここで登場するのがプロダクトビルダーの役割である。

そしてこの点こそ、多くの組織がAIの影響を誤解している箇所でもある。彼らは、実行が速くなれば自動的に成果が良くなると考えている。だが実際には、AIはしばしば既存の弱点を増幅する。戦略が不明確であれば、AIは組織が「間違ったもの」をより速くつくる手助けをする。顧客理解が欠けていれば、AIは誰も求めていない機能の提供を加速する。以下同様だ。

プロダクトビルダーは最初の「AIネイティブな職種」

ほとんどの組織はAIを既存プロセスの高速化に使っている。だが、先を行く企業はAIを使って「そもそもそのプロセスは存在すべきなのか」を問い直している。変わらないプロセスにAIを加えても、得られる成果は漸進的なものにとどまるとモアッティ氏は言う。最も速く前進している組織は、AIが今可能にすることを前提に、プロダクトライフサイクル全体を再設計している。

プロダクトビルダーという役割は、AIネイティブなプロダクトプロセスが実務でどのようなものになるかを示している。従来のプロダクトマネージャーは、しばしば調整役を担っていた。要件を集め、ロードマップを管理し、専門チーム間のコミュニケーションを促進していた。この構造は、実行に複数分野にまたがる広範な調整が必要だった時代には理にかなっていた。

プロダクトビルダーは、作業の調整よりも成果の創出に焦点を当て、プロセス全体を通じてAIを増幅装置として活用する。

プロダクトビルダーは、単にプロダクトをローンチするだけではない。継続的にそれを再発明する責任も負うことになる。「現在のイノベーションのペースがこの高い水準にとどまるなら、企業やプロダクトビルダーにとって、自ら変革しない限り、誰かに破壊されるリスクは高い」とモアッティ氏は言う。「プロダクトはカニバリゼーションの文化になっていく。なぜなら、誰かに破壊されるリスクに常にさらされているなら、それこそが生き残る唯一の方法だからだ。自社のプロダクトを何度も何度も再発明し続けるしかない」

リーダーが今すべきこと

リーダーにとっての課題は、多くの組織が依然として職能を軸に構成されている点だ。プロダクト、デザイン、エンジニアリングはそれぞれ異なるリーダーの下にあり、異なる指標で動き、異なるワークフローに従っている。AIが仕事の境界を溶かすにつれ、こうした組織的な境界を正当化することは難しくなる。リーダーが直面する最大の障害は、実はテクノロジーではなく、AI以前のワークフロー向けにつくられた古い組織構造かもしれない。

より深い問いは、Products That Countのレポートが提起したものと同じだ。すなわち、職能よりも能力が重視されるようになったとき、何が起きるのか。プロダクトビルダーは、すでに進行中の広範な労働力変革の最初の一例に過ぎないのかもしれない。

プロダクトビルダーの台頭は、組織がプロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアを排除すべきだという意味ではない。専門的な知見は引き続き不可欠だ。変わりつつあるのは、それらの能力がどう結びつくかである。

私たちは、ソフトウェア構築のコストが劇的に下がる時代に入りつつある。それはプロダクトをつくる人材の必要性を減らすものではなく、むしろ、プロダクト思考、技術への流暢さ、デザイン判断力、ビジネス理解を1つの能力に統合できる人材の必要性を高めるものだ。

AIは競争優位の源泉を、チームの規模やモデルの品質から、人材──とりわけ人間の判断力とAIを活用した実行力を組み合わせられるビルダー──へとシフトさせつつある。

プロダクトビルダーは、この変化を示す最初の例かもしれない。そして、ほぼ間違いなく最後の例ではない。AIが従来の機能間の境界を融合し続けるなか、リーダーは「仕事の進め方」だけでなく「仕事の編成のしかた」そのものを再考する必要があるだろう。

forbes.com 原文

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