サイエンス

2026.08.17 17:00

毒ヘビもハチの巣も食べてしまう、小さな猛獣ラーテルの秘密

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ラーテルは、重心の低いがっしりした胴体と、筋肉質な四肢をもち、しかも穴掘りや、引き裂き、格闘に適した鉤爪を備えている。こうした形質は、毒ヘビの捕食だけでなく、自分より大きな動物と遭遇した際に生き延びるのにも役立つ。ラーテルが、ハイエナやヒョウ、さらにはリカオン(African wild dog)の群れにさえも、反撃し追い払う様子が観察されているのだ。

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ラーテルがネットで並外れた名声を確立した、多くの理由の一つがこれだ。私たちはラーテルの怖いもの知らずな行動を、非合理な攻撃性と誤解しがちだ。けれども進化的に見れば、ラーテルはけっして「クレイジー」なわけではなく、ハイリスクな遭遇状況に高度に特殊化しているのだ。

ラーテルが毒ヘビへの防御策を進化させた理由

ラーテルがヘビ毒への耐性を進化させた理由は、時にヘビに命を脅かされるからという理由だけではない。彼らは積極的にヘビを狩る上に、獲物は無毒の種だけではなかったからだ。

2015年の『Toxicon』論文で述べられているように、ラーテルは、コブラを含む毒ヘビを捕食することで知られる。例の有名な動画のような記録映像や、フィールドでの観察記録には、ラーテルが執拗にヘビを追跡し、ヘビの攻撃をかわすと、突進して頸部に噛み付く、あるいは頭ごと噛み砕く様子が残されている。

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このようなラーテルとヘビの遭遇は、私たちには混沌そのものに見えるが、動物界においては異例の出来事ではない。ラーテルは、ヘビのどの部分が危険なのかを正確に把握し、それに従って攻撃を仕掛ける。進化を通じて選ばれるのは、生存率を高め、リソースへのアクセスを向上する形質だ。毒ヘビへの備えは、両方に当てはまる。

コブラは危険な獲物だが、栄養豊富で、環境によっては比較的数が多く、競合する多くの哺乳類が避けて通る獲物でもある。わずかであっても毒への耐性をもつラーテルの祖先は、採食機会の増加、遭遇時の死亡率低下、生存率と繁殖率の向上という恩恵を得たはずだ。こうした優位性は、無数の世代を経ながら積み重なっていった。その結果が、今の私たちが知るラーテルだ。彼らは毒を無効化できるわけではないが、噛み傷を生き延びる高度な防御策を持っている。

ネットの情報では、単純にラーテルにはヘビ毒が効かないとされることが多いが、真実はもう少し複雑だ。ラーテルのヘビ毒耐性は強力だが、それでも、部分的なものにとどまっている。注入された毒が多すぎる場合や、毒の作用機序が異なる場合には、死に至ることもある。

自然選択が、正真正銘の「鉄壁」の防御を生み出すことはほとんどない。しかし進化は時として、信じられないほど精緻に、危険に適応した動物を生み出すことがある。ラーテルはその好例なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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