そうした変異型受容体の構造は、αニューロトキシンが効果的に結合しづらいものになっている。特に重要な変化は、無電荷アミノ酸が、正電荷アミノ酸に入れ替わっていることで、これにより、受容体の電気化学的性質がわずかに変化している。これが、神経毒の結合能と干渉し、毒の効果を抑えるのだ。
厳密には、ヘビの毒が体に注入されると、ラーテルといえども影響を受ける。しかしラーテルでは、ヘビ毒によって神経系がシャットダウンされる作用は、ほとんどの哺乳類の場合と比べて、スムーズには進まない。このことは、生物学者や野生動物ウォッチャーたちが昔から報告してきた、奇妙な観察記録に符合する。ラーテルは、毒ヘビに噛まれたあと一時的に動けなくなる時もあるが、のちに回復して(獲物のヘビを)食べ続けるのだ。
だが、『Toxicon』の論文で示された最も興味深い知見はおそらく、この戦略を採用したのがラーテルだけではなかったことだろう。食肉目イタチ科であるラーテルの近縁ではない他種の哺乳類でも、極めてよく似た変異型の受容体が、独立に進化していたのだ。食肉目マングース科(Herpestidae)、真無盲腸目ハリネズミ科(Erinaceidae)、さらには偶蹄目イノシシ科のブタ(Sus domesticus)にも、こうした適応が見られた。
この現象は「収斂進化」と呼ばれるもので、異なる系統の生物が、それぞれの生息環境から同様の強い選択圧を受けた際に起こる。ここでの選択圧はヘビの毒だ。簡単に言えば、生死に関わる同じ課題に繰り返し直面すると、進化はしばしば、種は違っても、同じ解決策を編み出すのだ。
鎧のような体
ラーテルはそもそも、負傷させるのが難しい身体を持つ動物でもある。学術誌『Mammalian Species』に掲載された論文で解説されているように、ラーテルの皮膚は厚く、たるんでいて、極めて頑丈だ。捕食者にとって、ラーテルの動きを封じるのがいかに難しいかは、初期の博物学者や現代のフィールド生物学者による観察記録が物語っている。大型肉食獣にとっても、ラーテルを無力化するのは並大抵のことではない。
ラーテルのたるんだ皮膚は、こうした場面で極めて実用的な機能を果たす。ラーテルは、捕食者(ヘビを含むが、それだけではない)に抑え込まれた時、みずからの皮膚の下で身をよじり、反撃に転じる。見る者を心底ぞっとさせる策略だ。コブラに深々と噛まれたように見えたラーテルが身を翻し、次の瞬間にはヘビにかじりついているのだから。
この柔軟性は、特にヘビに対して抜群の効果を発揮する。毒ヘビの攻撃は、高速だが持続時間が短いため、タイミングと正確性が命だ。毒ヘビを捕食しようとする動物は、最初の噛み傷による被害を和らげ、最小限に抑えることができれば、あとは距離さえ詰めれば優位に立てる。そして、距離を詰めることにかけては、ラーテルの右に出る者はいない。


