エコーベインが開発したソリューションは、主に消費財やテクノロジー業界の企業を対象としており、顧客のニーズに合致しているようだ。同社は顧客数を明らかにしていないが、初期の導入企業にはプロクター・アンド・ギャンブル、コカ・コーラ、コンシューマーヘルス企業のヘイリオンなどが名を連ねる。さらに同社は、AIの活用拡大を進めるカンターをはじめとする市場調査会社とも連携を進めている。
ヘイリオンでコンシューマーサイエンスとプロダクトエクスペリエンスの責任者を務めるジー・アルカシドは、エコーベインのAIソリューションへの移行が、同社に大きな変化をもたらしたと語る。「エコーベインは、複数の市場にまたがる複雑な調査を非常にシンプルなものに変えてくれた」と彼女は評価する。「従来はアプローチが難しかった最適な被験者を見つけ出し、市場や言語ごとのニュアンスの違いにも対応した上で、驚くべきスピードと一貫性をもって実用的なインサイトを提供してくれる」と彼女は述べている。
フィンテック企業トラストリーのCPO、アダム・ダーシーも高く評価する。「エコーベインは、まさに適切な被験者層にリーチし、複数のターゲット層、国、製品バリエーションを対象とした継続的なテスト、学習、改善のサイクルを、1つの調査で実現してくれた。従来の調査手法では、これほどのスピードと規模で実施することは不可能だっただろう」。
市場調査業界では、多くのスタートアップや既存企業がAI活用の可能性に注目しており、こうした成功事例は非常に大きな価値を持つ。市場調査専門会社のGWIは最近、自社の製品群や新興企業などの製品を含め、現在同分野で利用可能な15のAIツールを公表した。
しかし、エコーベインの創業者らは、調査の実施からインサイトの提示までを一貫して担う同社のエンドツーエンド型プラットフォームの方が、一部の工程だけを担うソリューションより優れた選択肢であると確信している。「顧客はビジネス上の課題を提示すれば、あとは当社が責任を持って調査を完遂し、成果物を納品する」とグプタは語る。
同社の投資家も、この包括的なサービスの優位性を評価している。今回の資金調達ラウンドは、タイタン・キャピタルとネオン・ファンドが主導した。ネオン・ファンドのプリンシパルであるウディット・クマールは、「あらゆる製品開発の意思決定の裏には消費者調査がある。とりわけ消費財業界では、棚スペースの獲得が極めて難しく、新製品のローンチに失敗した際のコストや事後対応の負担も大きいため、その重要性は一層高まる。エコーベインのAIによる調査は、これまで数週間かかっていた調査サイクルを劇的に短縮する」と指摘する。
創業者らは、今回調達した資金をプロダクト開発への継続的な投資に充てるとともに、市場開拓を加速させる方針だ。「今回の資金調達により、エコーベインを支えるAIエージェント基盤の強化やマルチモーダル機能の拡充に加え、より高度な調査を一貫した精度で遂行するために不可欠なグローバルな被験者ネットワークの拡充を進めることができる」とナイアは語った。


