欧州

2026.08.13 08:30

ロシアの改良型ドローンが黒海の港や船を集中攻撃、ウクライナの海上輸送に大打撃

ウクライナ南部のミコライウ港で、ロシア軍のシーカー型ゲラニ-4ドローン(無人機)が乾貨物船を攻撃する様子とされる画像。ロシア国防省が2026年7月28日にテレグラムに投稿した動画から

これらの港に出入りする船は、攻撃側にとってとりわけ関心を引く目標になっている。船は高価であり、ウクライナ経済にとって非常に重要な資産である一方、一般に専用の対ドローン防護を備えていない脆弱な設備だからである。

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従来側のゲラニは主に、あらかじめ設定されたGNSS(全球測位衛星システム)座標を頼りに飛行していたため、移動する船を攻撃するのは難しかった。これに対して、シーカー誘導パッケージを利用すれば、ドローンは飛行の終末段階で、指定された船を捕捉して追跡できる。

また、このシステムによって、ドローンは船の枢要部分をより精確に攻撃し、損害を最大限に拡大することも可能になる。一部の攻撃では、「ゲルベラ」多用途ドローンのシーカー搭載型も使用されている。ゲルベラはペイロード(有効搭載量)が5kgしかないものの、燃料系統などの脆弱な構成パーツやその他の重要設備を直撃すれば、船を航行不能にすることが可能と考えられる。

ロシア国防省が公開した動画からは、ロシア軍の長距離ドローン運用戦術も垣間見える。攻撃は通常、2~4機からなる小規模なドローン編隊によって行われ、ゲラニ-4、ゲラニ-2、ゲルベラが混在している。どのドローンもシーカー誘導システムを搭載しているとされる。複数の機種・派生型の組み合わせは、ウクライナ側の防空対応を複雑化させることを意図したものとみられる。また、攻撃編隊の機数を少なくすることで、大型の防空システムの注意を引きにくくしている可能性もある。

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ドローンごとに性能が異なることも、ウクライナ側の対応をさらに難しくする。ウクライナの迎撃ドローンは、速度の遅いゲラニ-2やゲルベラには対処できるものの、はるかに高速なゲラニ-4に対しては有効性が下がる。そのため、防空側は複数の脅威に優先順位をつけて対処しなければならない。さらに、各攻撃編隊は通常、黒海上空を飛行経路として接近し、攻撃の終末段階に入るまでウクライナの防空網への露出を抑えている。

ゲラニ攻撃の広範な影響

ロシアによる黒海沿岸のウクライナの港に対する攻撃は、経済面で幅広い影響を及ぼしている。オデーサ大都市圏は、穀物をはじめウクライナの海上輸出の大半を取り扱っており、国内で最も重要な物流拠点のひとつとなっている。2026年上半期にはウクライナの輸出のおよそ3分の2がオデーサやその周辺の港を経由しており、ウクライナ経済は海上輸送の混乱に非常に影響を受けやすい形になっている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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