北米

2026.08.13 10:00

米空母エイブラハム・リンカーンでメンタルヘルス危機、乗組員の洋上勤務は260日超に

米海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン(CVN-72)」。stock.adobe.com

米海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン(CVN-72)」。stock.adobe.com

米海軍の原子力空母エイブラハム・リンカーンに乗り組む兵士と海兵隊員は、米国時間2026年8月12日時点で260日を超える洋上勤務を続けている。現代の空母配備として最長級の長さであり、家族は艦内でメンタルヘルスの危機が深刻化していると警告する。乗組員が艦から飛び降りようとする自殺未遂も複数報告されているという。

帰還日程は示されないまま、空母の配備は9カ月目に突入

複数の軍事系メディアや連邦議会議員が、就役37年の原子力空母エイブラハム・リンカーン艦内の状況について警鐘を鳴らしている。同艦は洋上で9カ月目に入り、対イラン戦闘作戦は5カ月目に入っている。

約5000人の水兵と海兵隊員を乗せた今回の配備は2025年11月21日に始まり、2026年5月に終了する予定だった。ところが配備はその後も繰り返し延長され、終了時期はいまだ発表されていない。

マイク・レビン下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、軍人らが艦内で非人道的な身体的環境に置かれていると訴えた、ジェイソン・クロウ下院議員(民主党、コロラド州選出)は、軍人とその家族にかかる精神的な「負荷は週を追うごとに増している」と警告した

飛び降りを絶えず考える乗組員や艦内で自殺未遂との報道も

米海軍を専門に取材する独立系報道機関ネイビー・タイムズは、複数の軍人が空母から飛び降りようとしたと報じた。同じく独立系メディアのスターズ・アンド・ストライプスも、艦内で自殺未遂が阻止された事例を伝えている

スターズ・アンド・ストライプスによると、ある水への妻は夫から「明日、目が覚めなければいい」とのメッセージを受け取った。息子が乗艦しているという親の1人も2026年7月、「息子も同僚たちも、ただ(苦しみから)解放されたい一心で、艦から飛び降りることを常に考えている」と聞かされたつらさを同紙に打ち明けている。

スターズ・アンド・ストライプスによると、エイブラハム・リンカーンの乗組員が11月21日以降に陸地に足を踏み入れたのはわずか2日だけだ。1日は12月のグアム寄港時(多くの水兵は下艦を許されなかった)で、もう1日は7月にオマーンで補給のため停泊した際だった。このとき、艦を離れることができた水兵も、港内の警備された区域に行動を制限された。

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