新車3台に2台が電動車、中国が他市場を先取りする
中国は世界最大の自動車市場であり、すでに転換点を越えた。中国で売れる新車は、ざっと3台に2台が充電できる車である。中国で描かれるコスト曲線と製品サイクルは、時間差を置いて、他地域でも競争の現実になる。電動化した中国市場で戦えないメーカーは、他の市場で後に自らが置かれる立場を、先に見せられている。
中国で内燃機関車を売り続けることをなお当てにする欧米と日本の老舗メーカーにとって、これは居心地が悪い読み方だ。各社が上位10車種に残す存在は、すでに古びたガソリンセダン1車種にまで縮んだ。筆者がレガシー自動車メーカーについて何年も追ってきたのと同じ構図だ。すなわち、帳簿上は割安に見える会社の足元で、最大の市場が静かに蒸発していく。
テスラの中国事業は強み、衰退論はまだ追いついていない
テスラについては、読み方が逆になる。市場でのコンセンサスは、中国をテスラにとって最大級のリスク要因の1つとして扱う。飢えた国産ブランドが100社も群がり、とっくにテスラを葬っていたはずの市場だ、という見立てである。だが7月までのデータが示すものは、成長であり、高価格帯で握るシェアである。外国ブランドが軒並み後退する一方で、テスラだけが首位車種に対して3倍近い価格を通している。
中国自身の販売表が発している信号はこうだ。テスラがこの市場で占める位置は強みであり、衰退という物語はまだそこに追いついていない。この構図がどこまで持つかは、これから数カ月の月次データと、BYDが国内で続ける下落が止まるかどうかで見えてくる。地球上で最も過酷な自動車市場で機能しているものは、現時点では2つしかない。最も安い良い車と、人がなお上乗せして買うブランドである。


