中国で最も売れている乗用車は、価格が約1万5000ドル(約238万5000円)だ。2位につけている車種は、その3倍近い価格で、しかも米国車である。
7月までの約半年間、中国乗用車市場で最も売れた車種は、吉利汽車(ジーリー)が手がける小型ハッチバックEV「星願(Xingyuan)」だった。販売台数は19万7500台近くに達している。2位はテスラのモデルYで、3万9050ドル(約620万8950円)から4万6460ドル(約738万7140円)という価格にもかかわらず、18万台超を売った。上位に並ぶそれ以外の車種は、ほぼすべてが低価格車であり、激烈な値下げ競争で薄い利幅を奪い合っている。
中国は、安い国産EVが高級ブランドを踏み潰す市場になるはずだった。いずれBYDがテスラを打ち負かす、と誰もが見ていた。だが、直近の販売データはまったく別の話を語っている。
7月の新車販売は65.1%が新エネルギー車、市場は縮小
バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む新エネルギー車(NEV)は、7月に中国で売れた新車乗用車の65.1%を占め、過去最高を記録した。前年同月から11.6ポイント高い。
だが、これは市場が沸き立っていたからではない。NEVの販売台数自体は、約4%減って95万1000台に落ち込んだ。比率が上がった理由は、ガソリン車の販売がそれ以上の速さで減っている点にある。中国自動車市場は、電動化へ移りながら縮んでいる。メーカーにとっては過酷な環境である。
吉利の星願が首位、BYD最上位は元UPで5位
誰が勝っているかは、順位表に表れている。中国大手の自動車情報サイト、汽車之家(オートホーム)が7月までの半年間を集計した順位では、星願が首位、モデルYが2位に入った。BYDで最も売れた車種は低価格SUV「元UP(Yuan UP)」だが、9万7700台ほどで5位にとどまった。上位10車種で外国ブランドのガソリン車は、フォルクスワーゲンが出すラヴィーダ(Lavida)1車種だけだった。
構図ははっきりしている。安価なEVが市場の低価格側を占め、高価格側にはテスラが座る。挟まれた中間が押し潰されつつある。



