空売り筋の買い戻しも追い風、それでも懸念は残る
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、CoreWeave株は浮動株の18%を空売り筋が握っており、その買い戻しが今回の上昇に拍車をかけた。株価の反応は、受注残がいずれ利益を伴う売上高へ変わると投資家が結論づけたことを物語る。
それでも、空売り筋が抱く懸念は軽くない。フューチュラム・グループCEOダニエル・ニューマンはCNBCに対し、「財務のやり方、バランスシートの管理、減価償却の処理を考えれば、この会社はおそらく他のどのテック企業よりも多くの懸念を投資家に与えてきた」と語った。
ニューマンは今後の焦点について、こう畳みかけた。「計算資源を確保できるのか。それを立ち上げられるのか。各地の増設に必要な電力を調達できるのか。そして立ち上げを進める際、スケジュール通りにやり遂げ、最も高い価格で売れるのか」。
強気シナリオが優勢でも、株価を左右する2つの試金石
ウォール街が株価に上昇余地を見込む以上、現時点では強気シナリオが弱気シナリオを上回って見える。
株価が上がる理由は何か。CoreWeaveは品薄のエヌビディア製半導体を押さえ、それを手元資金が比較的潤沢なAI企業との長期契約へ転換してきた。資本コストも下がりつつある。GPUを担保とする融資枠として初めて投資適格の格付けを得た案件を成立させたからだ。シティグループのタイラー・ラドキーはブルームバーグが取り上げたリポートで、AIインフラ需要は強く、供給力はおおむね完売状態にあると記した。
弱気論、すなわちGPUの耐用年数を6年と仮定する減価償却が営業利益を実態より大きく見せているという批判は、株価を動かしていない。マイクロソフト1社が2025年度売上高の約3分の2を占める顧客集中への懸念も、投資家を怯ませてはいない。
もっとも、強気の投資家であっても、CoreWeaveが重要な試金石を越えられるかどうかから目を離すべきではない。
ブルームバーグによれば、契約済み電力容量のうち実際に稼働しているのは約3分の1にすぎない。同社は新たなAIクラウド容量の立ち上げをスケジュール通りに進められるのか。そして、営業利益を支払利息より速く伸ばせるのか。後者を実現するには、14%近い営業利益率が求められる。
この2つの問いへの答えがいずれも「イエス」でない限り、株価は再び値を崩す公算が大きい。


