気候・環境

2026.08.13 08:00

世界の石炭消費量、25年に過去最大に 石炭火力発電は減少しているのになぜ?

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石炭火力発電は減少傾向に

25年の統計で驚くべき点は、石炭消費量が増加したにもかかわらず、石炭火力発電量が減少したことだ。中国の石炭火力発電量は前年比1.1%減少し、5756テラワット時だった。インドは3%減の1464テラワット時だった。これら2カ国が世界の石炭火力発電量の約69%を占めているため、比較的わずかな減少率でも世界全体の総量に大きな影響を与えることになる。

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アジア太平洋地域全体の石炭火力発電量は1.2%減少し、欧州では3.4%の減少を記録した。EU加盟国に限ると3.6%減少し、世界全体に占める割合はわずか2.6%となった。

石炭の消費量と発電量の開きは、電力部門以外の石炭需要が大きく伸びたことを示唆している。石炭消費量には発電用途だけでなく、工業用途も含まれている。また、発電所の効率性や石炭の品質、在庫状況、測定方法の変化なども、これら2つの統計が完全に一致しない要因となり得る。その正確な要因の組み合わせがどうであれ、今回の結果は注目に値する。世界では石炭消費量が過去最高を記録した一方で、石炭による発電量は減少したのだ。

例外的に石炭消費が増加した米国

米国は他の先進国の傾向とは大きく異なる動きを見せた。同国の25年の石炭消費量は前年比10.4%増加し、8.7エクサジュールに達した。石炭火力発電量は13.1%急増して804テラワット時となり、石炭生産量は4.4%増加した。

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米国の石炭消費量は約0.8エクサジュール増加したのに対し、世界全体の増加量は約0.7エクサジュールで、絶対量で見ると、同国の増加分が上回った。これは、他国の減少が米国の増加分の一部を相殺したことを意味する。

とはいえ、米国が石炭に回帰していると誤解してはならない。同国の25年の石炭消費量は、05年のピーク時と比べると約62%減っている。石炭火力発電量は07年の最高値より約63%少なく、石炭生産量は1998年のピーク時より約54%減少している。

2025年の増加は著しかったものの、それは長期的な減少傾向の中で生じたものだ。米国が占める割合は、世界の石炭消費量のわずか5.3%、石炭火力発電量の7.7%にとどまっている。

石炭の貿易量は減少

世界の石炭生産量は180.8エクサジュールと記録的な水準を維持したが、25年はほぼ横ばいだった。中国の石炭生産量は前年比1.7%増加し、世界全体の52.4%を占めた。一方、輸入量は10.1%減少したことから、国内生産量の増加によって輸入量を抑えたことが示唆される。これに伴い、世界の石炭貿易量は3.1%減の35.3エクサジュールとなった。世界最大の石炭輸出国であるインドネシアの輸出量は7.4%減少した。米国の輸出も11.5%減少したほか、コロンビアの輸出は21.3%急落した。

このように、世界の石炭消費量が過去最高を記録した一方で、貿易量は減少した。世界の石炭の多くは、特に中国やインドで、生産と消費が国内で完結している。

全体像

25年の統計は、石炭が消滅しつつあるという主張も、エネルギー転換が停滞しているという主張も裏付けていない。

石炭消費量は過去最高を記録したが、世界のエネルギー消費全体に占める割合は低下した。石炭火力発電量は減少したが、工業用途を中心に、石炭の総消費量は増加した。米国では25年に石炭消費量が増加に転じたものの、過去の最高値を大幅に下回る水準にとどまっている。欧州では石炭からの脱却が進んだ一方、アジアは世界全体の需要の5分の4以上を占めている。

石炭の動向はもはや、世界全体で統一された1つの物語ではない。石炭への依存を着実に減らしている国と、依然として電力や産業の中心に据えている国との間で格差が拡大している。この格差は今後長期にわたって石炭市場を特徴付ける可能性が高い。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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