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2026.08.13 11:00

マスクが19兆円投じる先端AI半導体工場「テラファブ」 総面積は皇居の9倍

TERAFAB (c)SpaceX

消費電力は全米の約2倍「1テラワット」

テラファブでは、考える半導体「ロジック」と、記憶する半導体「メモリ」を、合わせて年間1000億から2000億個生産することを目指し、月間のウェハースタート数においては初期に10万枚、最終的には100万枚を計画する。ウェハースタート数とは、半導体の製造時に使用される円盤状のシリコンウェハーの枚数を意味し、自動車における月間生産台数に相当する。最終目標である100万枚は、TSMCが世界15ヵ所の工場で生産する年間総数の約70%に匹敵する。ただし、テラファブの先端AIチップの処理能力が格段に高いため、AIコンピュート能力(処理能力)で比較した場合には、現在世界で1年間に生産されている半導体の50倍となる見込みだ。

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左は、現在世界で1年間に生産されているチップの処理能力の総量を示す。右はテラファブの総量であり、現行の50倍を示す (c)SpaceX
左は、現在世界で1年間に生産されているチップの処理能力の総量を示す。右はテラファブの総量であり、現行の50倍を示す (c)SpaceX

こうして製造されたAI半導体は、年間1テラワット(1TW = 1兆ワット)のコンピュート能力に相当する。ここで示されるワットとは、AI半導体の演算能力を示す指標であり、年間1テラワットは、スペースXが建設した世界最大級のAIデータセンター「Colossus 2」(テネシー州)を、同時に1000棟稼働する処理能力を意味する。また、これに関してマスク氏は、「現在の米国全土の年間電力消費量の約2倍を必要とする巨大データセンターと同等のAIパワー」と表現した。

これだけの電力量を地上で賄うことは現時点では不可能だ。しかし、テラファブで製造されたAIチップの約8割は、スターリンクなどのAI衛星に搭載することを想定している。

「スターリンクV3」と「スターマインド」

 新型のスターリンクV3の全幅は約60mで、従来型のV2の約2倍。通信総容量(帯域幅)は100倍以上となる見込み (c)SpaceX
新型のスターリンクV3の全幅は約60mで、従来型のV2の約2倍。通信総容量(帯域幅)は100倍以上となる見込み (c)SpaceX

現在スペースXでは、超大型宇宙輸送機「スターシップ」の飛行テストを繰り返している。早ければ8・9月中にも14回目の飛行テストが行われる見込みであり、新型のスターリンク衛星「V3」を、初めて地球周回軌道上に投入する予定だ。

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旧仕様の「V2」は、すでに約1万700基以上が軌道上にあるが、スペースXはFCC(米連邦通信委員会)に対し、より大型の「V3」を10万基運用する許可を申請中であり、2027年第2四半期までには1000基の軌道投入を目指す。今後長期的に続くこのプロジェクトに、テラファブで製造されたAIチップが投入されることになる。

軌道上AIデータセンターの実証機「スターマインドAI 1」。左右に展開する太陽電池パネルは全幅70m。最大出力150 kW。タテに延びるのは熱を放出するラジエータ (c)SpaceX
軌道上AIデータセンターの実証機「スターマインドAI 1」。左右に展開する太陽電池パネルは全幅70m。最大出力150 kW。タテに延びるのは熱を放出するラジエータ (c)SpaceX
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編集=安井克至

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