ファッション

2026.08.25 16:15

Swarovskiが提案する、希少性に頼らない「ぜいたくな喜び」

クワイエット・ラグジュアリーの時代に、色彩ときらめきを。130年の匠の技とブランドアンバサダー、アリアナ・グランデが輝きを放つSwarovski銀座で、日本法人社長・鈴木正規が語る。

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銀座のSwarovski旗艦店に入ってすぐ、目が留まった一角がある。クリスタルをさまざまなファセットへと設計していく、創業当時のスケッチ(レプリカ)だ。隣にはキャラクターのオブジェや、NIKEのエアジョーダンとのコラボ。130年培ってきた手仕事と、今の遊び心が、入り口で隣り合う。その奥のフロアでは、ディスプレイのなかでアリアナ・グランデが踊っていた。

この見せ方は、もちろん狙ってなされたものだ。日本法人を率いる鈴木正規は、ここ数年のSwarovskiを「リブランディング」と呼ばれることに、わずかに身構える。進化という言葉さえ、慎重に扱う。「この130年で、ブランドは常に進化してきた。本質は変わっていません。技術、クラフツマンシップ、私たちのサヴォアフェール。そこへのこだわりは昔からのものです。やってきたのは、それを現代の文脈でどう伝えるか、なんです」

変えたのは中身ではなく、伝え方だという。店舗の世界観、マーケティング、そして「いちばん大事」と言い切る接客。改装から始め、すべてを新しいブランドの体現として組み直した。銀座店では顧客の滞在時間が延びた。

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銀座旗艦店のエントランス近くにディスプレイされている、創業当時のカット設計スケッチのレプリカ。クリスタルを多様なファセットを持つ形へと磨き上げる手仕事の原点が、130年を経てなお店頭に置かれている。隣にはキャラクターのオブジェやコラボレーション作品が並び、奥のフロアではグローバル・ブランドアンバサダーのアリアナ・グランデが映像のなかで踊る。
銀座旗艦店のエントランス近くにディスプレイされている、創業当時のカット設計スケッチのレプリカ。クリスタルを多様なファセットを持つ形へと磨き上げる手仕事の原点が、130年を経てなお店頭に置かれている。隣にはキャラクターのオブジェやコラボレーション作品が並び、奥のフロアではグローバル・ブランドアンバサダーのアリアナ・グランデが映像のなかで踊る。

派手さではなく、ぜいたくな喜びを

クワイエット・ラグジュアリーは、ここ数年のトレンドだった。ロゴを大きく見せるより、わかる人にだけわかる引き算へ。その潮流のなかで、Swarovskiは色彩ときらめきを手放さない。アリアナ・グランデをブランドアンバサダーに迎え、大ぶりのパーツを臆せず見せる。引き算の時代に、あえての足し算に見える。

グローバル・ブランドアンバサダーのアリアナ・グランデ。色彩とプレイフルなデザインを押し出す「ポップ・ラグジュアリー」の象徴だ。
グローバル・ブランドアンバサダーのアリアナ・グランデ。色彩とプレイフルなデザインを押し出す「ポップ・ラグジュアリー」の象徴だ。

「私たちにとってラグジュアリーは、希少性や高単価のことではありません。品質やストーリー、お店での体験に焦点を当てている。ジョイフル・エクストラバガンス、ぜいたくな喜びをいかに提供できるか。お客様が自分の表現をどう出したいか。それを後押しするブランドでありたい」

ジョイフル・エクストラバガンス。Swarovskiが価値の核に据える言葉だ。幅広い価格帯のなかで、その日の気分に合うものを選ぶ。必要な喜びの分だけ、ぜいたくでいい。

派手なアイコンに頼るのですか。そう尋ねると、彼は言葉を選んだ。スターの起用は、認知を広げるため。このブランドは歴史のなかでずっとポップカルチャーと近い場所にいた。その延長に「ポップ・ラグジュアリー」という立ち位置がある。

リングは1万円台からオーダーメイドの2,000万円台まで。幅広いレンジで「ぜいたくな喜び」を届ける。
リングは1万円台からオーダーメイドの2000万円台まで。幅広いレンジで「ぜいたくな喜び」を届ける。
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text by Tsuzumi Aoyama | photographs by Yozo Yoshino

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