200年の時を受け継ぐ、女性ウイスキーメーカー
サラはスコットランド・スペイサイドに生まれ育ち、21歳でウイスキーの世界へ。以来25年以上にわたってキャリアを重ね、マッカランやレイクス蒸留所などを経て、現在は「オールドプルトニー」をはじめとするインターナショナル・ビバレッジ傘下のウイスキーづくりを統括するマスター・オブ・ウイスキー・クリエイションを務めている。
長らく男性社会という印象の強かったウイスキー業界だが、近年はつくり手にも飲み手にも女性が増え、その風景は大きく変わりつつある。もっとも、当のサラは「女性だから」ということをことさら意識してはいない。
「仕事をするうえで大切なのは、男性か女性かではなく、その仕事にふさわしい人であること。私自身、女性だからという理由で特別扱いされたくはありません」
そう語る一方で、「でも女性のほうがウイスキーづくりに向いているところもあるかも」と笑う。サラによれば、香りを細やかに嗅ぎ分ける感覚は女性が得意とするところであるし、また歴史を振り返れば、家庭の台所に立ち、人々の「おいしい」を日々支えてきたのも多くは女性だった、と。
実際、表舞台に立つ機会こそ少なかったものの、蒸溜所やブランドを支え、その味わいを次代へとつないできた女性たちは決して珍しい存在ではない。そして現在では、マスターブレンダーやウイスキーメーカーなど、ものづくりの中枢を担う女性も各地で活躍しており、サラもまたそのフロンティアのひとりなのだろう。
「200年という歴史から考えれば、私がウイスキーに携わってきた25年余りという時間はほんの一部にすぎません。だからこそ、これまで積み重ねられてきた伝統へのリスペクトを忘れないことが大切だと思っています」
1826年から2026年まで、多くのつくり手に守られながら「オールドプルトニー」はその味わいをつないできた。サラが今、向き合っている樽のなかには、彼女がこの仕事を始めるよりもずっと以前に蒸溜された原酒もある。そして彼女がいま仕込むウイスキーのなかには、彼女自身ではなく、次の世代の誰かが完成させるものもあるだろう。
「オールドプルトニー」の200周年は、ひとつの到達点であると同時に、250年、300年へと続いていく時の経過点にすぎない。その長い時の一部を預かり、次のつくり手へと手渡していくこと。それこそが、マスター・オブ・ウイスキー・クリエイションであるサラに託された仕事なのだ。
オールドプルトニー(三陽物産)
https://sanyo-brands.jp/lp/oldpulteney/


