250年前、米国は「より良いものを築く」という前例のない精神のもとに建国された。建国250周年を祝う今、その革命的な推進力は、米国経済の屋台骨を成す企業を今なお支えている。この不朽の起業家精神を振り返るのに、これほどふさわしい時期はない。現在、3600万社超の中小企業が事業を展開しており、米国は人々がリスクを取り、機会を追求し、ゼロから何かを築くことを奨励される、世界でも数少ない場所であり続けている。
米国の起業家的優位性
起業家精神は、米国の物語を支える中核的な柱である。家族経営の企業から、新たな産業を形づくる急成長企業まで、米国は創業者がアイデアを試し、資金を確保し、規模拡大に必要な人材を雇用できる環境を提供している。
筆者は、ConnectOne Bankの創業を含む数々の事業を通じて、そのことを身をもって経験してきた。キャリアの出発点は、家族が営む建設会社の経営を手伝うことだった。その経験を通じて、会社を築き、リスクを管理し、顧客の信頼を得るために何が必要かを学んだ。また、資本へのアクセス、迅速なサービス、強固な金融面の関係が長期的な成長にとっていかに重要かも理解するようになった。起業家にとって十分とはいえない銀行体験や、実効性のある解決策の不足に長年不満を抱いた末、筆者は事業オーナーとして自分が求めていた銀行をつくることを決めた。起業家を理解し、助言者として事業の複雑さを乗り越える手助けをし、顧客中心の姿勢を貫く銀行である。
その起業家的優位性は、米国最大の競争優位の1つである銀行システムによって、さらに強化されている。
銀行業が少数の金融機関に集中している多くの国とは異なり、米国にはあらゆる業界、地域、事業段階に対応する数千の銀行が存在する。その多様性により、起業家は自らの市場を理解し、事業の微妙な違いをくみ取り、最も大きな効果を生む場所に資本を投じられる金融パートナーにアクセスできる。
ゼロから事業を築いてきた者として、資本へのアクセスが、優れたアイデアを単なるアイデアにとどめるか、繁栄する企業へと成長させるかを左右し得ることを、筆者は身をもって見てきた。起業家のビジョンを理解し、ともに投資する意思を持つ信頼できる銀行パートナーがいれば、事業は成長し、雇用が生まれ、地域社会は繁栄する。それこそが、米国経済が何世代にもわたって活力を保ち続けてきた理由の1つである。
イノベーションが新たな機会を生み出している
米国の優位性は経済面だけでなく、文化面にもある。リスクを取ること、再発明すること、逆境から立ち直る力は、事業が生まれ、成長し、持続していく営みの中に深く根づいている。そのレジリエンスは、困難な時期を生き延びるためだけのものではない。次のイノベーションの波を駆動する原動力でもある。
米国はイノベーションの最前線に立ち、企業はあらゆるセクターで変化を促している。注目度の高い起業家はしばしば議論や批判を呼ぶが、同時に、最も大胆で型破りなアイデアであっても、米国のシステムのもとでは迅速に規模を拡大し、投資を呼び込み、場合によってはまったく新しい産業を築くことが可能であることを示している。
イーロン・マスクのような人物には賛否があるかもしれないが、彼が築いた企業が、市場を再定義し、機会を創出し、イノベーションを前進させ得る最も野心的な事業を可能にする経済を体現していることは否定できない。
同時に、AIや新興プラットフォームは、こうした機会の一部を初めて起業する人々にも手の届くものにしている。これらのツールは、かつては大規模なチームと大きな予算を持つ企業にしか利用できなかった能力を提供することで、競争条件を平準化している。もちろん、これらのツールがあらゆる障害を取り除いているわけではない。しかし、コンピューターにアクセスできる起業志望者は今や、高度なツールを使ってアイデアを検証し、顧客にリーチし、業務を改善し、ほんの数年前には想像しにくかった方法で規模を拡大できるようになっている。
起業家を定義するのはレジリエンスである
事業を築くことが容易だと言った人はいない。起業家は今なお、インフレ、人手不足による圧力、消費者行動の変化、経済の変動に直面している。そうした課題を乗り越えながら持続可能な事業を築き続けるには、相応の気概とレジリエンスが必要である。
多くの事業オーナーは、2008年の金融危機、COVID-19、サプライチェーンの課題、資金調達環境の変化など、誰の自信をも揺るがしかねない大きな混乱を乗り越えなければならなかった。最も強い起業家とは、困難な局面を避ける人ではない。適応し、顧客や地域社会に貢献する方法を探し続け、信頼できるパートナーに助言を求める人である。
適切な銀行パートナーを築き、優先する力
資本が重要であることは確かだが、それがすべてではない。持続可能な事業には、収益構造、ターゲット顧客、市場、長期目標を理解する信頼できるアドバイザーが必要である。強力な銀行パートナーは、事業オーナーがキャッシュフローを管理し、成長資金を調達し、拡大機会を評価し、不確実性を乗り越えるのを助けるとともに、事業の各段階で支援を提供できる。
その関係は、事業が規模拡大を進めている時、事業承継を計画している時、買収を目指している時、新拠点を開設する時、あるいは経済的混乱に対処している時など、移行期において特に重要になる。そうした局面では、目の前の課題と事業のより大きなビジョンの双方を理解するパートナーがいるかどうかが、大きな違いを生む。
米国が起業家になるうえで世界有数の場所であり続けているのは、人々が意義あるものを築けると信じ、そのビジョンを持続的な成功へと変え得る場所だからである。



