米国時間8月11日、AIモデルのClaudeが生成した文章や画像に不可視の電子透かし(invisible watermark。人の目には見えない形でデータに埋め込まれる識別情報)を入れるというAnthropicの計画に対し、反発が一段と強まった。自分の仕事にAIを使ったことが検出されてしまう、という点に利用者が激しく反発している。
新たな方針は、Anthropicが欧州連合(EU)の規制に対応するためのもので、11日に発表された。Claudeが作成したメディアに透かしを埋め込む。
Claudeが書いた文章には、目に見えない透かしが入る。この透かしは「テキストが別の場所にコピー&ペーストされても、そのテキストとともに移動します」という。画像をはじめ、AIが作成するその他のファイルには、デジタル署名付きのメタデータ(ファイルに付随する、作成元などの情報)が付くようになる。
それが実際にどのようなものになるのかは、まだわからない。Anthropicは、透かしを見分ける方法について今後さらに情報を公開するとしている。ただし、万全ではないとも注意を促している。文章に大幅な手が加われば、テキストの透かしは消えてしまうことがある。ファイルのメタデータも、ファイル形式が変わったり、スクリーンショットを撮られたりすれば、そのほかの経路も含めて失われる可能性がある。
この新しい方針は、利用者の側で無効にすること(オプトアウト)ができない。Claude CodeやClaude Coworkを含め、世界中のすべてのClaudeのモデルと製品に適用される。
計画にはXとRedditですぐさま反発が起きた。利用者からは「ふざけている」「きわめて問題が大きい」といった声が上がり、「AIで書いたことを証明できない時代」は終わったとの宣言も出た。
不満の多くは、自分で書いた文章の校正にしかClaudeを使っていないという人たちと、コードを書く人たちから出た。後者は、コードに暗号署名を加えれば「出力の質が落ちる」のではないかと懸念している。
ラジオ番組の司会者でブロガーのエリック・エリクソンはXに「校正の出来がいいので、GrammarlyをやめてClaudeに乗り換えていました」と投稿した。「ところが今後は、自分が書いた文章にClaudeがやったという透かしが入ることになります。ばかげています」
この方針の発表をきっかけに、AIが生成した成果物の権利(クレジット)は誰に帰属するのかというオンライン上の議論が始まった。作ったのは機械なのか、それとも機械に指示を出した人間なのか。



