ビットコインや暗号資産の価格は、今年、人工知能(AI)主導で沸き立つ株式市場の大規模な好況の波に乗り遅れている(ただし、一部の富豪投資家はビットコインで150億ドル規模の巨額の利益を上げている)。
ビットコイン価格は、7月初旬に1ビットコインあたり5万8000ドル弱の安値を付けて以来、わずかに上昇しているものの、2025年10月のピーク時からはほぼ半値の水準にとどまっている。これは、スペースXとテスラのCEOを務めるビリオネア、イーロン・マスクが暗号資産の「ゲームチェンジャー」を予言している中でのことだ。
現在、新たなセキュリティ警告がビットコインのパニックを引き起こしているなか、ブラックロックの暗号資産部門の責任者は、世界最大の資産運用会社である同社で投資家心理(センチメント)の反転が見られることを明らかにし、ビットコイン価格が「大幅に上昇」するとの見通しを示した。
ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロバート・ミッチニックはブルームバーグに対し、「ここ1カ月ほどで、目立つが微妙な形でセンチメントが変化したのを目にしている」と語った。
「今年初め頃から、ビットコインが株式から切り離され始めたのを見てきた。しばらくの間、それはビットコインにとって逆風だった。株式、特にAI関連が急騰する一方で、ビットコインは横ばいから下落気味だったからだ」
ブラックロックの市場をリードするビットコイン現物投資信託(ETF)は、2024年初頭のローンチ以降、保有量が約75万ビットコイン、評価額で500億ドル(約7兆9600億円)弱にまで拡大した。ミッチニックは、株式とのこうしたデカップリング(株式市場との連動解除)はビットコインにとって「健全」であり、投資家のポートフォリオにおける分散手段や一部の「レフトテール・リスク(発生確率は低いが甚大な損失をもたらすリスク)」に対するヘッジとして機能すると述べた。
「ビットコインにはこれまでに5つの大きな好不況のサイクルがあった」とミッチニックは言う。「毎回、その過程で紆余曲折はあるものの、最終的にはビットコイン価格が大幅に上昇してサイクルを終えている。今回のサイクルも同様だ」
一方、SoSo Valueのデータによると、ブラックロックの「IBIT(iShares Bitcoin Trust)」を筆頭とする米国のビットコイン現物ETFは、先週、4月中旬以来で最高となる5日間の取引を記録し、8億5000万ドル(約1350億円)強の資金流入を集めた。
8月初旬のETFの上昇は、甚大な被害をもたらした「コールドカード」ウォレットのハッキング事件が追い風となった可能性が高い。この事件により、自身でビットコインを管理する「セルフカストディ(自己管理)」に対する人々の信頼が損なわれ、暗号資産ETFの有用性が一段と強まる結果となった。



