キャリア

2026.08.28 14:00

採用率24%減でも中堅層は有利に、AI時代に評価される「経験の価値」

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人工知能(AI)により、将来的には何百万人もの労働者が機械と職を奪い合うことになるかもしれないという予測が広がっている。しかし私はこれまで、AIが取って代わることができない仕事について記事を書いてきた。そして今、企業内部でもっと複雑な変化が起きていることが労働力に関する新たなデータで示唆されている。AIは単に全ての職業を置き換えているのではなく、さまざまな仕事の価値を静かに再編し、人間ならではの役割の重要性を高めているようだ。

ピープルアナリティクスのVisier(ビジアー)が実施した、360万人以上の従業員記録に基づいている新たな調査では、職場でAIが普及するにつれて企業は採用する人材や優先する職種、そして人材の配置先を変えつつあることが明らかになった。

特に注目すべき点としては、全体的な採用率が24%低下した一方で、教師や弁護士、建築家、警備員などの職種は依然として代替が困難な職種として浮上していることが挙げられる。

もう1つ重要な変化が起きている。新規採用では依然として若年層が最も大きな割合を占めているが、企業は35〜50歳の経験豊富な中堅層をますます重視するようになっている。

こうした傾向が続けば、やがて新規採用で中堅層が最多となる可能性がある。今回の調査結果は、AIがもたらす雇用の変化は業界全体が消滅するというよりも、企業内部の見えないところで大規模な再編が進んでいるという話なのかもしれないことを示唆している。

AIは企業内部の仕事を変えている

Visierは155を超える大企業と30の職務領域を対象に2022〜2026年の労働力の変化を分析した。その分析から得られた最も重要な知見の1つは、業界だけに着目するとAIが実際に雇用にどのような影響を与えているかが見えにくくなるということだ。

たとえば銀行と病院は全く異なる業界かもしれないが、財務や人事、データ分析など、どちらも類似した職務に従事する人材を雇用している。そのためVisierは単純に業界を比較するのではなく、職務分野やスキルに基づいて変化を調べた。

違いは非常に大きい。調査期間中、データ・アナリティクス部門が組織全体の人員に占める割合は49%増え、プロダクトマネジメント部門は39%増加した。一方、人事部門の割合は3%減少し、財務部門は4%減った。

しかし、これらの数字だけでは全体像は分からない。データ・アナリティクス部門をさらに詳しく見ると、2つの職種で真逆の傾向があることが明らかになった。Visierによると、採用割合はAIエンジニアで251%増加した一方、データサイエンティストでは32%減少した。

これは労働者にとって重要な違いだ。「データ関連の仕事」が増えている、あるいは消滅していると言っても、同じ部門の中で一部の職種が急増している一方で、他の職種が縮小している状況では、実質的に意味がない可能性がある。AIは必ずしも部門全体の仕事を根こそぎ奪っているわけではない。部屋を1つずつ改装しているようなものだ。

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翻訳=溝口慈子

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