一部の仕事が「代替不可能」になりつつある理由
一部の職種はAIによる代替が困難であり、これらは労働者が自身のキャリアを守るための新たな手がかりとなる。教師や弁護士、建築家、警備員の仕事には、情報を素早く生成することだけとはいかない責任がある。判断力や説明責任、人間関係の理解、解釈、そして多くの場合、人からの信頼が必要だ。
AIは弁護士が判例を調査するのを支援できるが、依頼人には依然として微妙なニュアンスや戦略、法的判断がもたらす結果を理解できる人が必要だ。AIは建築家がコンセプトを生成するのを支えるかもしれないが、建築家は安全性や規制、顧客の要望、現状を考慮しなければならない。
教師はAIを使って授業の計画を作成できるが、教えるにあたっては生徒の意欲を引き出し、感情のサインを読みとり、教室の雰囲気を管理し、なぜある子どもが別の子どもと同じように学べないのかを理解する必要がある。警備員は文脈や人間の判断が重要になる曖昧な状況をリアルタイムで評価しなければならないことが多い。
この違いは、自分のスキルをどこで活かすかを決めようとしている労働者にとって、ますます重要になる可能性がある。最も安全なキャリアとは必ずしもAIが関与できない仕事ではない。より耐性のあるキャリアとは、AIが仕事の一部を担うものの結果全体に責任を負うことはできないものだ。
採用は24%減少
Visierの調査は求職者にとって厳しい状況となっている中でのものだ。採用率は約24%低下しており、企業が採用の時期や場所についてより慎重になっていることを示唆している。
この採用率の低下はAIだけが原因とは限らない。組織はこの4年間、経済の不確実性や組織再編、人材戦略の変化に直面してきた。とはいえ、AIは数年前にはこれほどの規模では存在しなかった新たな選択肢を企業にもたらしている。業務量が増加した際に自動的に新たに人材を採用する代わりに、テクノロジーがその業務の一部を吸収できないかを検討できるようになった。
これによって状況は変わる。また、企業が採用する従業員に対する期待も高まる可能性がある。細かく5つに分けられた業務をこなすために5人を採用するのではなく、AIを使ってより多くのことを実行できる、少人数の人材を採用する傾向が強まるかもしれない。そして、それがVisierのデータに見られるもう1つの意外な変化を説明している可能性がある。
Visierの調査によると、中堅層の労働者が再び脚光を浴びつつある可能性がある。調査では、新規採用において35〜50歳が占める割合が増していることが明らかになった。現在は若年層が依然として最も大きな割合を占めているが、現在の傾向が続けば中堅層が最終的に若年層を凌駕する可能性がある。
AIが情報を提供できるようになると、経験の価値は変わる。機械は数秒で事実を検索できる。だがそうした事実が状況に合わない場合を見極める15年、20年の経験は機械には備わっていない。ベテラン労働者の優位性があるのはまさにそこだ。


