アジア

2026.08.13 12:03

中国が台湾・南シナ海で仕掛ける、戦争未満の「グレーゾーン」戦術

Getty Images

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中国は自国の周辺、とりわけ台湾と南シナ海で何を目指し、どう動いているのか。ここで見ていきたい。中国は国際秩序の枠組みの中で協調することに大きな価値を見出しているが、同時にその秩序に挑戦することにも価値を見出している。可能な限り既存のルールの枠内で行動し、必要であればそれらのルールを回避する。この2面性が最も顕著に現れているのが、台湾と南シナ海をめぐる中国のグレーゾーン活動だろう。

ここでいう「グレーゾーン」とは、武力衝突に至る一線を越えない政府の行動を指す。戦争や従来の軍事攻撃ではないが、それでも影響力を誇示し、相手の行動を変化させたり、既成事実を構築したりしようとする行動のことだ。当面の作戦地域は台湾と南シナ海だが、その対象には東南アジア諸国、日本、さらには米国まで含まれる。中国によるグレーゾーン戦術の行使は、これらの国々へのシグナルとして機能する一方で、代償を伴う可能性もある。

あえて摩擦を起こす習近平、台湾統一は共産党の教義

中国にとって、何もしないという選択肢はない。いかなる中国の指導者も、台湾や南シナ海の問題に対して受け身でいたり、無視したりする余裕はない。台湾は中国共産党(CCP)政治における避けて通れない現実であり、体制のナショナリズムに基づく正統性の中核をなす要素である。統一はCCPの信条であり、歴代の中国指導者はその約束を確認せざるを得なかった。習近平も前任者たちと同様、自らがその伝統を守り、たとえ自身の任期中に実現しないとしても統一に向けて前進していることを、定期的に示す必要がある。

したがって習には、近隣諸国との間に管理可能な水準の摩擦を折に触れて生み出す動機がある。それによって地域に国家間の大きな力の格差を思い起こさせ、台湾とアジアに対する米国のコミットメントを試し、時には西側の反応を誘発するのである。とはいえ習は、中国の国際的な影響力や経済に恒久的な損害を与えることは望んでいない。習に必要なのは、進展、あるいは進展しているかのような印象を示すことだ。

ウクライナの惨状を教訓に、戦わずして勝つ道を探る

習は戦争を望んでいるのではない。勝利を望んでいるのだ。孫子が『孫子の兵法』で「戦わずして敵を屈することこそが、兵法の極意である」と書いた通りだ。中国指導部は、プーチンの無謀なウクライナ侵攻によってロシアが被っている打撃を目の当たりにしている。台湾への攻撃が流血を伴い、多大なコストがかかり、中国経済に大打撃を与えることを習は理解している。また、もし中国の全体的な経済拡大が絶対的な規模で台湾を追い抜き続け、米国との格差も徐々に縮まりつつあると中国が考えているなら、なぜ今、ハードパワー(武力)行使の決断を下す必要があるだろうか。時間が自国に味方していると中国指導部が信じるなら、台湾への圧力を維持し、南シナ海での影響力を拡大し続けるだけで十分な理由になる。

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