アジア

2026.08.13 12:03

中国が台湾・南シナ海で仕掛ける、戦争未満の「グレーゾーン」戦術

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戦争に至らない揺さぶり、中国が繰り出しうる3つの奇手

では、中国は戦争を始めることなく、どのようにして試し、圧力をかけ、シグナルを送るのか。その答えは、戦争には至らない一連のグレーゾーンの選択肢である。台湾に揺さぶりをかけ、米国のコミットメントを試し、中国が実力を誇示して国内向けにアピールできる活動だ。以下に、中国が採用する可能性のある戦術の例(予測ではない)をいくつか挙げる。

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中国にとって最も簡単な手段は、これまでの行動を踏襲することだ。中国は日本の排他的経済水域(EEZ)内でロシアと実弾射撃を伴う海軍合同演習を行っている。フィリピン沿岸警備隊への威嚇行為も続けている。南シナ海でのインフラ整備も継続している。これまでの路線の踏襲は、比較的低コストかつ低リスクな活動だが、中国の常套手段として定着しすぎているため、もはや目新しさや政治的な衝撃はほとんどもたらさない。そのため、習は従来の行動を踏襲しつつも、その頻度や深刻度をエスカレートさせる可能性がある。

では、力を誇示し境界線を試すための、いくつかの独自の変化球はどうだろうか。

変化球その1:環境保護を名目に、九段線内の商業漁業を止める

中国の農業農村省が、南シナ海の一部の魚種が絶滅の危機に瀕している可能性があると発表し、自国が主張する「九段線」に囲まれた海域における商業漁業活動の「段階的な一時停止」を制定する。言うまでもなく、すべては環境保護のためだ。

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これは、他国が公海、あるいは自国の海洋権益に属するとみなしている海域に対して、主権的権利をきわめて一方的に主張することになるが、環境保護イニシアチブという偽装が施される。また、中国が威圧するのは主権国家の海軍ではなく、民間の商業漁船団だ。それにもかかわらず、環境保護というベールをまとっていたとしても、これは中国による言語道断な行為となるだろう。

より受け入れられやすい試みとしては、中国が南シナ海に関する国際環境シンポジウムを主催することかもしれない。これなら直接的な衝突を避けつつ、中国を南シナ海の生態系の管理者として位置づけることができる。もし中国が自国で主導できる多国間組織を設立できれば、長期的な影響力誇示計画における有用な足がかりを築いたことになる。

変化球その2:感染症対策を口実に、台湾海峡で旅客船へ立ち入り検査

世界が再び、新型コロナウイルス感染症のような大規模なパンデミックに直面するシナリオだ。中国の国家衛生健康委員会は、検疫を実施するために台湾海峡で旅客船を停船させる必要があると表明する。医療従事者を同伴した中国海警局の船が接近し、臨検を開始する。

変化球その1と似ているが、今回の偽装は環境ではなく公衆衛生だ。対象となる船に中国(中華人民共和国)との明らかな結びつきがない場合(例えば、中国国籍旗を掲げておらず、航路の出発地も目的地も中国ではない場合)、単に検疫を行うためだけに停船させる従来の法的根拠を北京が確立するのは困難だろう。それでもやはり、緊急事態を装うことで、中国は自らの主張を通すことができるかもしれない。

変化球その3:知的財産権保護を掲げ、台湾発の貨物船に乗り込む

中国が、知的財産を窃盗して商品を違法に製造・販売していた大規模な犯罪グループを摘発したと発表する。中国は米国に向かう台湾の貨物船を停船させ、立ち入り検査を行う。案の定、積荷には米国の親会社の銘板を不正に表示した自動車部品が含まれており、それらはすべて台湾で違法に製造されたものだった。中国は模倣品業者を阻止する。中国は自らを法を遵守するアクター、台湾を知的財産の窃盗を容認している管轄区域、そして米国を被害者として位置づける。立ち入り検査の法的根拠には疑問が残るが、それは政治的な目的の前には大した問題ではないのかもしれない。

中国は、長期的なゲームを展開するだけの自制心を持っているか

これらの変化球が実現する可能性はあるだろうか。筆者の見解では、その可能性は低い。そして、それこそが重要な点だ。中国が何をするかを予測することはできないが、これまでの踏襲戦略は今後数年間で魅力を失っていくだろうということはいえる。中国には、グレーゾーンでよりアグレッシブに動く創造性と大胆さがある。本当の問いは、中国が長期的なゲームを展開するだけの自制心を持っているか、それともプーチン大統領のような過ちに近づいていくかということだ。

forbes.com 原文

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