しかし、Hintのレポートでは、66%の人が「あまりに複雑に思える選択肢は、それが実際に優れたものであるかどうかを判断する前に、途中で諦めてしまうことが多い」と回答している。
私たちは、その努力に価値があるかどうかを判断できるまで、十分に試行し、検証し、辛抱強く取り組む必要がある。新しいことに挑戦するとき、成功が保証されているわけではないが、学習とエンゲージメントの機会は確実に得られる。
3. 挑戦が達成感を高める
興味深いことに、より多くの努力を払うとき、私たちはそのプロセスをより肯定的で、やりがいのあるものと感じる。これは「努力のパラドックス」として知られている。学術誌『Trends in Cognitive Science』に掲載された研究によると、何かに対して懸命に努力する必要があるとき、私たちはより高いモチベーションを感じ、自らコントロールしている感覚を強く抱くという。
困難なことは、私たちをその活動に没頭させる。没頭することは、エンゲージメントの不可欠な要素の一つであり、フロー状態や幸福感とも深く結びついている。
4. 挑戦が自制心を養う
興味深いことに、課題が困難であるほど、感情をコントロールする能力(自己調整能力)も養われることが、『Educational Psychology Review』に掲載された研究で明らかになっている。難易度が高い物事に取り組むときは、感情をコントロール・観察し、冷静さを保って明確に思考し、目標を達成することが求められるからだ。
困難に直面した際の粘り強さ、決意、献身といった「不屈の精神(パーシビアランス)」もこれに関連している。学術誌『Journal of Abnormal Psychology』に掲載された、3000人以上を18年間にわたって追跡した縦断的研究によると、不屈の精神を養った人々は、うつ病や不安、パニックの症状が減少したという。
注目すべきは、Hintのデータにおいて、69%の人が「複数のステップを踏む必要がある場合、それらがより良い結果につながるとしても、自信が低下した」と回答している点だ。その一方で、粘り強く取り組むことを選べば、感情のコントロール能力が身につく。これは自制心や熟達感、さらには自ら培った能力によって困難を切り抜けられるという自信の土台となる。


