ある瞬間には、会社の経営陣紹介ページに自分の写真が掲載されている。だが次の瞬間には、その写真も、自分がそこに存在したというすべての痕跡も消え去ってしまう。
あっという間のことだ。
それが、テクノロジー業界であっても避けることのできないレイオフの冷酷な現実だ。そして、CTO(最高技術責任者)とて例外ではない。
通常、レイオフに関する議論の多くは、中間管理職やエントリーレベルの従業員、その他の一般社員への影響に集中する。しかし、AI(人工知能)によるレイオフが経営幹部そのものに与える影響については、ほとんど注目されてこなかった。
VideoAmpのレイオフはCTOにも及ぶ
皮肉なのは、最高技術責任者がレイオフの対象となったことだ。先日、VideoAmpで起きたのはまさにそれだった。VideoAmpは全従業員の20%を削減し、その中にCTOも含まれていた。
グーグルやCelonisといった大手テック企業での経歴を持つ、同社の前CTOであるダスティン・ジャクソンでさえも、企業がAIを中心に組織を再構築すると決めたときには、その影響を免れることはできなかったようだ。この異例の状況こそが、今回のレイオフをきわめて興味深いものにしている。
VideoAmpのトニー・フェイガンCEOは、同社がエージェンティック(自律型)AIソフトウェアとAI搭載型のメディアパフォーマンス・プラットフォームへと移行しつつあるという。
しかし、CTO不在でどのようにエージェンティックAIを実装するのだろうか。フェイガンはCEO就任前に同社のCTOを務めていたため、同社に技術的なリーダーシップが不足するとは限らない。
実際、VideoAmpの広報担当者がForbesに語ったところによると、今後はCPO(最高プロダクト責任者)のジョシュ・ハジンズが技術戦略を担当し、同社のAIおよび自律エージェント開発への投資の一環として、彼の主導のもとでエンジニアリングとプロダクトの部門が統合が行われるという。
「AIは私たちの業界にとって重大なプラットフォームの転換であり、早期に導入した企業が並外れた恩恵を受けると私たちは信じている」と同社の広報担当者はメールで語った。「今回の再編は、エージェンティックAIソフトウェア開発への投資を大幅に強化し、AI搭載型メディアパフォーマンス・プラットフォームへと進化するという当社の決断を反映したものだ。つまり、組織とリソースをそれに合わせて調整することを意味する」
今回の再編で、特定の職種や役職が不釣り合いに大きな影響を受けたのだろうか。その点について尋ねると、広報担当者は次のように回答した。
「技術部門が最も大きな変化を遂げた。これは、自律エージェント型ソフトウェア開発への投資や、エンジニアリングとプロダクト部門の1人のリーダーへの統合と合致している」



