4. 深い専門知識にビジネスセンスを加えたいスペシャリスト
技術的なスキルをこれ以上磨いても、キャリアの天井を打ち破れないプロフェッショナルがいる。プロダクトのリーダーに昇進したいソフトウェアエンジニア、病院組織を経営したい医師、マネージングパートナー(共同経営代表)になりたい弁護士などだ。彼らの専門性は本物であり、キャリアも順調だ。しかし不足しているのは、戦略が策定され、予算が承認され、組織の意思決定が行われる場で立ち回るために必要なビジネス知識である。
MBAは、キャリアをゼロからやり直すことなくそのギャップを埋めてくれる。すでに持っている知識の上にビジネスの層を重ねることで、それは大きな強みとなる。多くのMBA学生がジェネラリストとして入学する一方で、スペシャリストは深い専門知識を持って入学し、それを中心にしたチームを編成し率いる方法を身につけて卒業していく。
5. ネットワークを必要としているプロフェッショナル
卒業から5年後、クラスメートから一般には公開されていない幹部職の打診の電話がかかってくる。同じスタディグループやケースコンペティションで2年間を共にした実績があるからこそ、面接の機会を得られる。これこそが、MBAのネットワークがまさに謳い文句通りに機能している瞬間だ。
ファイナンスやコンサルティング、テクノロジー、プライベート・エクイティの世界を目指し、10年以内には採用決定権を持ち、企業を率いることになるであろう意欲的で野心に溢れる人々と共に、2年間を過ごす。イェール大学の経済学者ケリー・シュウ(Kelly Shue)の研究によると、ランダムに割り当てられた同級生同士は、数年後のお互いのビジネスの意思決定に対して、測定可能かつ持続的な影響を及ぼし合うことが明らかになっている。教室で隣に座った人々は、卒業して長い年月が経った後も、リーダーとしての思考や行動に影響を与え続けるのだ。
このプロフィールにおいて、プログラムの選択はほかの何よりも重要だ。ネットワークの価値は、そこにいる人々や彼らが最終的に行き着く場所によって決まるからだ。自分の目指す業界や地域に深い根を張っているプログラムは、卒業生が広く薄く分散しているランキング上位の大学よりも役に立つかもしれない。自分が目指す業界が実際に採用活動を行っているプログラムを選ぶことで、ネットワークは学位そのもの以上の効果をもたらしてくれるだろう。
結論
MBAのROI(投資対効果)に関する議論は今後も続くだろう。一部の人にとってその疑問は極めてもっともであり、別の人にとっては的外れなものだ。
明らかなのは、目的意識を持って主体的に取り組まない限り、この学位は成果をもたらさないということだ。自身の具体的な目標に基づいてプログラムを選び、何のためにそこにいるのかを明確に意識して臨むべきだ。教授陣、ネットワーク、そしてリソースを、二度と手に入らないものとして活用してほしい。実際、二度と手に入らないのだから。


