マーケット

2026.08.12 07:30

マイクロソフト株が直面する利益率低下の正体 AIインフラ投資が招くコスト増

ltyuan - stock.adobe.com

設備投資はまず現金の流出として表れる

2026会計年度第4四半期の設備投資のうち、およそ3分の2は耐用年数の短い資産、主にCPUとGPUに振り向けられた。同四半期の営業キャッシュフローは554億ドル(約8兆8100億円)だった。一方、フリーキャッシュフロー(営業活動で稼いだ現金から設備投資を差し引いて手元に残る現金)は196億ドル(約3兆1200億円)にとどまり、同社はその理由として設備投資の増加を挙げている。

advertisement

比較のために挙げておくと、直近12カ月の売上高は3318億ドル(約52兆8000億円)で、同社が公表している2026暦年の投資計画は1750億ドル(約27兆8300億円)前後だ。

Windows OEMおよびデバイス部門の売上高は、2027会計年度に10%台後半の減少が見込まれている。かつての稼ぎ頭が縮んでいく一方で、資金は別の分野へ振り向けられているということだ。

過去1年における高値から安値までの最大下落率は35%

過去1年間で、この株の高値から安値までの最大下落率は35%に達した。現在の株価は52週高値の93%程度の水準にある。この程度の下落は、同社株の近年の値動きの範囲内に収まっており、市場はその後おおむね株価を戻してきた。

advertisement

ただしオプション市場は、まだ決着がついたとはみていないようだ。というのも、インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される将来の値動きの予想幅)が直近1年のレンジで77パーセンタイルの位置にあるからだ。

正直に評価すれば、ここで挙げたリスクは会社の存続を脅かす類いのものではなく、利益率をめぐる問題だ。しかもその利益率の部分は、かなりが同社の見通しにすでに反映されている。同社は2027会計年度通期の営業利益率が1ポイント未満の低下にとどまると見込んでいる。

この見立てが変わるとすれば、きっかけは売上総利益率の変化であって、成長率の数字ではない。再び株価が下げたときに問われるのは、その押し目は買う価値があるのかという一点だ。答えは、下げる前に出しておくだけの価値がある。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事