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ビジネス

2026.08.11 11:29

AI時代、クライアントはあなたをより必要とするか、それとも手放すか

stock.adobe.com

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筆者は前回の記事で、AIのハネムーン期間は終わり、法律事務所はAIによって還元された時間を具体的にどこに充てるべきかを決める必要があると主張した。しかし、時間の使い道を決定したとして、それが正しかったかどうかをどうやって判断すればよいのだろうか。それこそがより難しい問いであり、大半の事務所は、実際には答えになっていない数値を出すことでこれに対応している。

リテラが法律事務所を対象にAIの価値について調査したところ、ROI(投資対効果)は最下位だった。下から2番目ではなく、2つの別々の質問においていずれも最下位だった。これは、弁護士が価値を考える際、そもそも金銭的な枠組みを重視しないからだ。マネージングパートナーは、コストのことで夜も眠れなくなるわけではない。コスト削減は調達部門の言葉であり、実務の言葉ではないのだ。

時間こそが、法律事務所においてこれまで一貫して重要視されてきた唯一の通貨である。弁護士が「AIによって3時間が還元された」と言うとき、彼らはこの専門職全体が築かれている唯一の単位で価値を表現している。削減された時間は本物だが、そこで思考を止めてしまうのは間違いである。なぜなら、回収された時間は原材料であって、結果ではないからだ。その時間が何をもたらしたのかについて、その数字は何も語っていない。その時間で何を得られたかこそが、投資が機能しているかどうかを示す唯一の指標となる。

効率性だけでは不十分である

より迅速に業務を遂行すれば、クライアントがすでに依頼すると決めている仕事は獲得できるだろう。しかし、それだけではクライアントが別の仕事を依頼する動機にはならない。期待されている業務を素早くこなす状態を長く続けていれば、信頼され、重宝されるようになるが、完全に代替可能な存在にもなる。同じように迅速で信頼できる他の事務所があれば、容易に取って代わられてしまうのだ。クライアントがあなたの判断に深く依存するようにはならない。なぜなら、そうする理由を一度も与えていないからだ。あなたはただ、彼らの仕事をより素早く処理したにすぎない。

効率化は競争に生き残るための参加資格にすぎず、クライアントとの関係を「単に仕事を依頼する相手」から「最も困難な問題を信頼して任せられる相手」へと進展させるものではない。信頼は、より能動的な行動から生まれる。クライアント自身が問題に気づく前に電話をかける、あるいは彼らが見落としていたリスクを浮き彫りにする、といった行動だ。その信頼こそが、困難な問題に直面した際に、彼らに電話をかけさせる動機となる。

本当に重要なシグナル

削減された時間だけに注目するのではなく、クライアントとの関係がどのように変化しているか(あるいは変化していないか)に目を向けるべきだ。

・クライアントは、昨年よりも困難な課題を持ち込んでいるか。

・より早い段階で相談に来ているか。危機が起きてからではなく、起きる前か。

これこそが、真のリターンである。回収された時間ではなく、構築された信頼だ。弁護士に考える余裕が生まれたなら、その成果は、クライアントがあなたの判断により強く依存するようになることであって、必要なサービス時間が減ることではないはずだ。危機が表面化する前に、厄介で重大な問題を相談してくるクライアントは、稼働率レポートには決して表れないメッセージを伝えている。

私はこれを、取引相手の立場から観察することで学んだ。元弁護士であり、現在はリーガルテック企業のCEOを務める私は、世界トップクラスの法律事務所にとって費用を支払うクライアントでもある。私が重視する事務所は、業務を最も速く処理する事務所ではない。私が電話をかけようと思う前に、自分では十分に認識していなかった問題についての見解を携えて、電話をかけてくれる事務所だ。これこそ、いかなるAIモデルも肩代わりできないことである。

AIモデルはコモディティ化しつつある

競合他社がすべて同じAIモデルを導入した際、何が差別化要因になるかについてリテラが法律事務所を調査したところ、その回答はテクノロジーとは無関係のものだった。1位は人材と才能。2位はカスタムワークフロー。3位は独自の知識だった。AIモデルそのものはコモディティ化しつつあり、事務所のリーダーたちはすでにそのことを理解している。

これら2つの調査結果を組み合わせれば、構図は明白だ。ROIが最下位だったのは、金銭的枠組みが、事務所が実際に競い合っている本質を見落としているからだ。そして人材が首位になったのは、AIモデルが同等になったときに生き残るのが「判断力」だからである。「AIがXドルを節約してくれた」という対話を終わらせるだけの数値は、人材や才能について何も語らない。新たな対話を始めるための問いは、コストではなく、クライアントに関するものである。

法律事務所がまず着手すべき3つのこと

適切なシグナルを測定したいのであれば、具体的な転換が必要だ。今重要となるのは、次の3つの行動である。

1.「削減された時間」を「クライアントへ再配置された時間」に置き換える

AI導入計画において、回収された時間の使い道を説明できないのであれば、その効果は本物であっても、パートナーや、あなたのAI戦略を尋ねてくるクライアントには見えなくなってしまう。

2. 提供した成果物だけでなく、クライアントが持ち込む「問い」を追跡する

より困難な問題が、より早い段階で持ち込まれることこそが先行指標となる。これがクライアントごと、あるいはパートナーごとに、前年比でどのように推移しているかを注視すべきだ。その傾向は、遅行指標による裏付けが得られる前に、信頼関係の基盤が拡大しているかどうかを教えてくれる。

3. アクセス権ではなく、定着度(アドプション)を測定する

重要なのは、何人の弁護士がそのツールを開くことができるかではない。先週、実際の案件でそのツールを使用し、クライアントとの関係性を実質的に促進する業務のために時間を生み出した弁護士が何人いるか、ということだ。アクセス権の提供は戦略ではない。活用することこそが戦略である。

法律事務所が測定すべきもの

弁護士の思考力に余裕が生まれたにもかかわらず、クライアントがこちらの判断により深く依存するようになっていないのであれば、問題は測定しているROIが間違っていることではない。得ているROIそのものが間違っているのだ。回収された時間を「より困難な課題の獲得」と「より早い段階での信頼構築」へと変換できる法律事務所が、今後10年間の卓越した法務サービスのあり方を定義することになる。それ以外の事務所は、効率的に忘れ去られていく記録を残すことになるだろう。

forbes.com 原文

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