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AI

2026.08.11 10:16

AIが競争優位を一瞬で崩す時代、株式市場の「ターミナルバリュー」は崩壊するのか

Adobe Stock

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赤い「STOP AI」抗議フライヤーが、集会の詳細とともに晴れた都市の通りの街灯柱に貼られている。米カリフォルニア州サンフランシスコ、2025年5月20日。

ソーシャル・キャピタル創業者で「All-In Podcast」の共同ホストであるチャマス・パリハピティヤは本日早く、X(旧Twitter)に長文の思考実験を投稿した。この投稿はその後、約80万回の閲覧と3200件超の「いいね」を集めている。「The Collapse of Terminal Value(ターミナルバリューの崩壊)」と題されたその投稿は、ポストAI時代に市場をどう評価するかを論じたものだ。そこでは不穏な問いが投げかけられている。人工知能(AI)が競争優位や「堀」をあまりに速く侵食し、市場が企業の10年目以降の収益力に合理的な価値を付けられなくなるとしたら、何が起きるのか。

パリハピティヤが示唆する答えは、株式市場の根本的な再評価を必要とするかもしれない。その規模は、2008年の金融危機を控えめなものに見せるほどだ。

第一原理からの議論

パリハピティヤは、自身の仮説を株式評価の基本的な仕組みに置いている。現代の資本市場は、企業が現在どれだけ稼いでいるかだけでなく、将来どれだけ稼ぐかという割引後の予測にも基づいて企業価値を付ける。この「ターミナルバリュー(継続価値)」、すなわち予測期間を超えた将来キャッシュフローの総和は、あらゆる企業の株価の相当部分を占める。高成長のテクノロジー企業では、その比率は特に大きい。

パリハピティヤは投稿の中で、S&P 500が現在、株価収益率(PER)約22倍で取引され、上位テクノロジー企業は30〜60倍で取引されていると書いている。こうした企業の大半について、株式価値の60〜80%は短期的な現金創出ではなく、ターミナルバリューに埋め込まれていると彼は推定する。この数字は、大型テクノロジー株のバリュエーションに関する広範な分析とも整合する。ゴールドマン・サックス・リサーチは、S&P 500のPERが2024年末に過去の93パーセンタイルに位置していたと指摘しており、これは将来の利益成長に関する相当な前提を織り込んだ水準である。

パリハピティヤのディスラプション再評価の枠組みは、単純な変数から始まる。すなわち、任意の企業がAIによって陳腐化する年間確率である。自己資本コスト9%を基準にすると、AIによる破壊の年間確率が20%の企業は、期待寿命がおよそ5年になると彼は計算する。その期間で割り引くと、合理的なフリーキャッシュフロー倍率は約3.9倍まで低下する。破壊確率が30%なら、倍率はさらに2.8倍に下がる。10%なら6.5倍に上がる。示唆されるレンジ、すなわちフリーキャッシュフローの2〜7倍は、パニックの結果ではない。競争優位が数十年ではなく数年単位で複利的に積み上がる世界に、単純なデュレーションの計算を適用した結果である。

彼は投資家に率直な問いを投げかける。あなたのポートフォリオで最も重要な保有銘柄に、AIによる破壊の年間確率を正直にいくらと割り当てるのか。業界自身が変化の速度について語っていることを踏まえれば、10%未満の数字を擁護するのは難しいと彼は示唆する。

デュレーション割引の歴史的先例

パリハピティヤの枠組みは新しいものではない。彼は、実際にキャッシュフローを生み出していた企業に対して市場が過去に大きなデュレーション割引を適用し、その割引が正しかったことが示された4つの業界を取り上げている。

最初の例は、2005年から2015年にかけての新聞業界である。デジタル広告が紙媒体の収益モデルを破壊する中、EBITDAの12〜15倍で取引されていた企業は2〜4倍へと圧縮された。トリビューン・カンパニーやフィラデルフィア・インクワイアラーなどは最終的に破産申請に至った。1年目のキャッシュフローは実在していたが、7年目を迎える前に消えた。小売業も、2016年から2020年にかけて同様の再評価を経験した。アマゾンが実店舗の経済性を解体したためである。百貨店や専門小売業者は、多額のキャッシュを生み出していたにもかかわらず、フリーキャッシュフローの3〜6倍に圧縮された。市場が織り込んでいたのは現在の利益ではなく、デュレーションリスクだった。

2019年から2021年にかけてのエネルギー企業も同様のバリュエーション低下を経験した。数十年分の確認埋蔵量を持つ大手石油生産会社は、化石燃料への需要低下によって資産が完全に収益化される前に座礁資産化する可能性を市場が織り込んだため、フリーキャッシュフローの4〜6倍で取引された。

パリハピティヤが最も極端な例として挙げるのは、タクシー市場である。ニューヨーク市のタクシー営業許可証(メダリオン)を担保に融資していたメダリオン・フィナンシャルは、メダリオン1枚あたり100万ドル(約1億5900万円)超だった担保価値が10万ドル(約1590万円)未満へと崩落するのを目の当たりにした。これらは数十年の事業実績を持つキャッシュフロー創出資産だった。それでも、Uberがそのキャッシュフローの終点を可視化したと明らかになった時点で、たとえUberがまだその仕事を終えていなかったとしても、市場はそれらをほぼゼロに再評価した。

一般化された再評価の規模

パリハピティヤの仮説を新しいものにしているのは、歴史的には一度に1セクターずつ適用されてきたこの種のデュレーション割引が、今や経済全体に同時に適用され得るという命題である。S&P 500の時価総額は現在、約58兆ドル(約9200兆円)に達している。指数構成企業のフリーキャッシュフローは年間約2.8兆ドル(約444兆円)である。パリハピティヤの破壊レンジの中間値であるフリーキャッシュフロー5倍を適用すると、同指数の価値は約14兆ドル(約2220兆円)になる。これは現在水準から75%の下落を意味する。ファースト・トラスト・アドバイザーズの分析はすでに、総時価総額をGDPと比較する「バフェット指標」が2024年末にGDP比167%と過去最高に達したことを警告している。これはバフェット自身がドットコム・バブル崩壊前に警戒信号として挙げた水準である。

パリハピティヤは、これを予測ではなく思考実験として位置付けるよう慎重を期している。彼はこの均衡を、おそらく自己否定的なものだと説明する。市場がフリーキャッシュフローの2〜7倍に再評価されれば、AIによる破壊を推進する設備投資は枯渇する。AI開発は減速する。「堀」は再び持続的に見え始める。恐怖は薄れ、サイクルは反転する。彼のより熟慮された結論は、恒久的なレジームチェンジではなく、振動する移行である。すなわち、より短いイノベーションサイクル、より高いボラティリティ、長期デュレーション株式評価に対する周期的な信認危機、そして株式リスクプレミアムの構造的上昇だ。

ベンチャーキャピタルへの問い

ベンチャーキャピタル業界にとって、パリハピティヤのシナリオは具体的な含意を持つ。彼によれば、グロースエクイティの論理全体は明日への賭けである。今日のフリーキャッシュフローを犠牲にし、支配的な市場地位を築き、それを数十年にわたって収穫する。このモデルは、成長して到達すべきターミナルバリューを前提にしている。7年目が不可知になる世界では、10億ドル(約1590億円)規模の評価額を持つ売上前企業の経済性は意味をなさなくなる。

業界データは、この変化がすでに進行していることを示唆している。Preqinのデータに基づく2026年のOECD政策ブリーフによれば、2025年に世界のAI企業へのベンチャーキャピタル投資はVC投資全体の61%を占め、投下総額4271億ドル(約67兆8000億円)のうち2587億ドル(約41兆円)に達した。資本は分散するのではなく集中している。PitchGradeの分析は、2026年には「どんな犠牲を払っても成長する時代は、あらゆる段階で効率的成長を求める時代に置き換わった」とし、かつて成長指標だけで膨らんでいたバリュエーションが、今ではユニットエコノミクスと資本効率に基づくようになったと指摘している。

サンフランシスコ連邦準備銀行が2026年2月に実施した投資家調査では、ベンチャーキャピタリストが独自データ、特定領域に特化した技術、確立された流通チャネルを持つ企業に関心を移していることが示された。AIが大半の製品機能を急速に複製できる環境で、投資家がいま「持続的な堀」と呼ぶものだ。QED Investorsの2026年フィンテック予測もこれを直接反映し、基盤モデル提供企業がアプリケーション層へ拡張するにつれ、ベンチャー支援を受けた企業のカテゴリー全体が急速に消滅し得ると指摘した。防衛可能な地位が存在するのは、複雑で規制され、監査可能なプロセスを習熟し、自らの領域における記録システムとなる企業だけだという。

CFA Instituteが2025年12月に発表したベンチャーキャピタルにおけるAI分析は、参入障壁の高いスタートアップは、急速なモデル改善に対して一定の防御となる、より広く長続きする堀を持つと結論付けた。一方で、メモ作成アプリやコーディングアシスタントは、より広範な技術変化から隔離されていなければ重大な課題に直面する。防衛可能なAIアプリケーションと防衛不可能なAIアプリケーションの区別は、洗練された投資家にとって主要な選別基準になっている。

資本の向かう先はインフラとコモディティか

株式のターミナルバリューが圧縮されるとしても、資本は消えるわけではないとパリハピティヤは論じる。資本は移動する。彼が指摘するのは、キャッシュフローがAIによる破壊から守られている資産である。エネルギーインフラ、農地、有料道路、水利権、コモディティ生産者、短期国債だ。需要が非弾力的で、彼が「物理的な防御力」と呼ぶものを持つ物理資産、すなわち、より優れた大規模言語モデルが一夜にしてアンバンドルできないものだ。

彼は、このシナリオが年金基金の資産・負債マッチングから標準的な60/40ポートフォリオまで、あらゆるものを作り変えると指摘する。短期国債は、その期間の存続以上のターミナルバリュー前提を必要としないため、良好なパフォーマンスを示すだろう。割り引くべき利益を持たない金も恩恵を受ける。このローテーションは民間資本よりも主権資本に有利に働く。民間市場が引き受けを拒む20年、30年の投資期間で現実的に投資できるのは、国家と政府系ファンドだけだからである。

地政学的な含意は大きい。高い貯蓄率と忍耐強い国家投資機関を持つ国、すなわち米国、中国、湾岸諸国、ノルウェー、シンガポールは、長期資本のコミットメントを必要とするあらゆる技術競争において構造的優位を得る。市場経済において長らく周縁的なアプローチと見なされてきた産業政策は、純粋な資本市場の価格付けが機能不全に陥るまさにその瞬間に正当化されることになる。

パリハピティヤが指摘するパラドックス

パリハピティヤの最も興味深い観察は、彼がその中心にあるパラドックスと呼ぶものだ。AIによる破壊を牽引している企業、主として大手ハイパースケーラーとAIラボは、AIインフラに年間3000億〜5000億ドル(約79兆3000億円)を共同で投じている。その設備投資は、それらの企業が7〜15年にわたって持続的なリターンを得られると信じている場合にのみ合理的である。だが、市場が株式をフリーキャッシュフローの2〜7倍で評価する世界では、その規模の長期デュレーション設備投資は経済的に非合理になる。するとAI開発は減速する。短期デュレーションの価格付け体制の下では、その経済性自体が資金調達不能になるからだ。

パリハピティヤは別の場でも、AIの経済性に関する関連懸念を示している。2026年3月の「All-In Podcast」のエピソードで彼は、AIを用いてレガシーな企業ソフトウェアを書き換えることを目的に設立した自身のソフトウェアスタートアップ8090で、AI関連コストが2025年11月以降に3倍超となり、年間1000万ドル(約15億9000万円)に向かっていると明らかにした。彼の懸念は極めて現実的だ。彼はXで、AI推論の現在の価格は、高い評価額でAI企業を支援するベンチャーキャピタルによって部分的に補助されていると示唆しており、その構造の持続可能性を公然と疑問視している。

反論と市場が実際に織り込んでいるもの

パリハピティヤは、自身のシナリオが予測ではなく思考実験であることを認めている。反論はいくつか存在する。

第一に、すべての企業が同じ破壊リスクに直面しているわけではない。深い規制上の堀、物理インフラ、数十年にわたって蓄積された独自データ、人間の行動に埋め込まれたネットワーク効果を持つ企業は、SaaSアプリケーションと同じ期待寿命の圧縮に直面しないかもしれない。水道公益企業と汎用的なワークフロー自動化ツールは、改良された言語モデルに対して同程度に脆弱なわけではない。

第二に、市場は歴史的に、大規模な技術移行を、資産クラス全体を同時に再評価することなく吸収する能力を示してきた。インターネットは多くの既存企業を消し去ったが、同時に数十年にわたって極めて高い評価を維持する企業も生み出した。アマゾン、グーグル、アップルは、デジタル商取引への移行期にターミナルバリューを存在しないものとして割り引かれたわけではない。彼らは破壊する側の主体になった。

第三に、投資家はすでに、すべての企業を同じようにリスクにさらされているものとして扱うのではなく、AI時代のどの堀が持続可能かを見極めようとしている。TechCrunchが2025年12月に行った投資家調査では、有力ベンチャー企業が中核的なテック分野の外にあるセクターに注目していることが示された。医療、金融サービス、産業用途など、競争が比較的低く、複雑性によって生じる堀を持つ業界で、AIが段階的な投資収益率の改善をもたらし得る領域である。

パリハピティヤの枠組みがもたらすのは、多くの株式アナリストがまだ標準モデルに組み込んでいないデュレーションリスクについて、構造化して考える方法である。破壊の年間確率が意味のある変数であるなら、単一の割引率を用いて10年先、15年先までフリーキャッシュフローを予測する現在の慣行は、少なくとも不完全である。

部分的であっても構造的転換

パリハピティヤは、自身のシナリオが部分的に実現するだけでも、すなわちターミナルバリューが90%ではなく30〜40%圧縮されるだけでも、それは戦後期以来、資本市場における最も重要な構造的転換になると結論付けている。これはセクターローテーションでも、バリュエーション調整でもない。金融市場が何のために存在し、誰に奉仕するのかをめぐる根本的な再交渉である。

彼が未解決のまま残す問いは、AIが産業を破壊するかどうかではない。その問いは、この時点ではおおむね決着している。未解決の問いは、その破壊が、そもそも破壊に資金を提供してきた価格付けメカニズムそのものを変えるほど速く、広範なのかどうかである。この読み方に立てば、資本市場は自らの再交渉を引き受けているのかもしれない。

forbes.com 原文

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