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2026.08.11 09:37

なぜ好奇心が成長の中心にあるのか——世界の専門家10人の知見

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10年以上前に私が初めて好奇心に関する研究を始めたとき、このテーマを本格的に探究している人はごくわずかしかいないことに気づいた。研究論文のなかで好奇心が言及されることはあっても、それが組織におけるイノベーション、パフォーマンス、意思決定にどう影響するかに焦点を当てたものはほとんどなかった。それが最終的に、好奇心を阻害する要因を研究するきっかけとなった。私はこのテーマについて執筆や講演をしている人物を探し始め、好奇心を研究する第一線の思想家たちに何人もインタビューしてきた。彼らの知見は、リーダーシップ、学習、そしてイノベーションにおいて好奇心を育むことがなぜ重要なのかを明らかにしている。

ウォーレン・バーガーは『A More Beautiful Question: The Power Of Inquiry To Spark Breakthrough Ideas』の著者である。私は、イノベーション、リーダーシップ、学習において問いが果たす役割についての研究をめぐり、バーガーにインタビューした。彼の研究の中心にあるのは、問いはしばしば答え以上に重要であるという考え方だ。問いは発見への扉を開くからである。

バーガーは、好奇心は多くの場合、「なぜ」「もし〜だったら」「どのように」といったシンプルな問いから始まると説明する。私たちの対話の中で彼は、イノベーターたちは問題を探究し、解決策を生み出す過程で、こうした問いを何度も行き来することが多いと語った。「なぜ」と問うことで人は問題を理解し、「もし〜だったら」は想像力を促し、「どのように」はアイデアを行動へと進める。彼の研究は、問いかけが創造性、イノベーション、意味ある変化をいかに推進するかを浮き彫りにしている。

バーガーはまた、従来型の教育制度を進むにつれて好奇心が低下する傾向があることを強調する。研究によると、幼い子どもは何千もの問いを発するが、成長するにつれてその数は減少していく。彼の研究は、リーダー、教育者、組織に対し、問いを奨励する文化を再構築し、好奇心を生涯にわたって活発に保つよう促している。

マイケル・バンゲイ・スタニエは、ベストセラー著書『The Coaching Habit: Say Less, Ask More And Change The Way You Lead Forever』で、問いとリーダーシップについて幅広く論じている。彼の研究は、多くのリーダーが見過ごしていることを明らかにしている。人は状況を十分に理解する前に、助言を急ぎがちだ。リーダーが歩みを緩め、より長く好奇心を保つと、対話はより思慮深く、生産的なものになる。

スタニエは、好奇心には自制が必要だとよく説く。リーダーは、問題をすぐに解決したいという本能に抗い、代わりに相手により深く考えさせるような問いを投げかけなければならない。彼の最も有名な問いのひとつは、シンプルながらも力強い。誰かが問いに答えたあと、彼はリーダーに対して「ほかには?(And what else?)」というフレーズを続けることを勧める。人が最初に出す答えが、唯一の答えであることはめったにない。対話を続けると、新たな洞察が浮かび上がることが多い。彼の研究は、リーダーが「伝える」姿勢から「問う」姿勢へと転換するとき、好奇心がコミュニケーションを劇的に改善し得ることを示している。

デブラ・クラリー博士は、著書『The Curiosity Curve』のなかで、リーダーシップと組織の能力としての好奇心を検討している。彼女の研究は、好奇心を「持つか持たないか」という性格特性としてではなく、バランスをとりながら意図的に育んでいくべきものとして描いている。

クラリーの「好奇心曲線(Curiosity Curve)」は、好奇心が一定の段階を進んでいくと説明する。それはしばしば探索と新しいアイデアへの開放性から始まり、創造的思考を経て発展し、最終的にはアイデアが検証され実行される「集中的な関与」へと移行しなければならない。好奇心が探索段階にとどまり続けると、人はアイデアを生み出すだけで、行動に移すことはない。逆に好奇心が過度に制限されると、組織は可能性の探究をやめ、イノベーションが減速する。

彼女のフレームワークは、個人やチームが好奇心と探索から実行へと曲線に沿って進んでいくのを支援することの重要性を強調している。問い、実験、学習を支えるリーダーは、好奇心が抽象的な概念にとどまらず、意味のある成果につながる環境をつくり出すのだ。

ステファン・ファン・ホーイドンクは、著書『The Workplace Curiosity Manifesto』と最新作『Curiosity: The Secret Ingredient for Success in Personal and Professional Growth』のなかで、職場での能力としての好奇心に焦点を当てている。彼の研究の中心にあるのは、組織は意図的に好奇心を文化に組み込むことができるという考えである。ファン・ホーイドンクは、好奇心を単なる性格特性と決めつけるのではなく、リーダーは学習、実験、率直な議論を奨励することで好奇心を強化できると説く。

彼は、好奇心は従業員が自分の正式な職務を超えてアイデアを探究するのを助けると主張する。人が問いを発し、慣例に挑戦することに安心感を持てるとき、組織はイノベーションの機会を発見しやすくなる。彼の視点は、絶え間ない変化に直面する組織における、好奇心と長期的な適応力の関係を浮き彫りにしている。

バリー・ラインは、独自のメソッド「Selling Through Curiosity™(好奇心による営業)」を通じて、営業における好奇心に焦点を当てている。私が彼にインタビューした当時、彼はスタンフォード大学で営業における好奇心に関する講義を担当していた。彼の研究は、好奇心を軸とした対話が、営業プロフェッショナルの顧客理解と顧客対応をどのように変革しうるかを示している。

ラインは、成功する営業担当者は売り込みに頼るよりも、顧客が本当に必要としているものを引き出す思慮深い問いを重視する、と強調する。営業の対話に純粋な好奇心をもって臨むことで、プロフェッショナルは台本的なやり取りを超え、顧客とのより深い関係を築くことができる。彼の研究は、好奇心が傾聴を改善し、信頼を強化し、顧客と組織の双方にとってよりよい結果をもたらすことを示している。

ポール・アシュクロフト、ギャリック・ジョーンズ、サイモン・ブラウンは、共著『The Curious Advantage: The Five Drivers Of Your Company’s Hidden Success』のなかで、組織のパフォーマンスの観点から好奇心を検討している。彼らの研究は、好奇心がより強固な学習文化と、より適応力のある組織にどう貢献するかを探究している。

著者らは、企業における好奇心を支える5つのドライバーとして、意図(Intent)、探究(Inquiry)、協働(Collaboration)、イノベーション(Innovation)、インパクト(Impact)を挙げている。これらのドライバーは、学ぶという明確な意図を設定し、より良い問いを発し、チームを超えて協働し、新しいアイデアを試し、それらの努力が意味のある成果につながることを確認することで、組織が意図的に好奇心を促すことができると示している。こうした条件が整うと、従業員は前提を問い直し、問題解決のより良い方法を探究しやすくなる。彼らの研究は、好奇心がイノベーションと長期的な成功の双方に影響を及ぼすことを示している。

トッド・カシュダンは、好奇心を研究する心理学者の第一人者の一人で、『Curious? Discover The Missing Ingredient To A Fulfilling Life』の著者である。正式なインタビューは行っていないが、彼の研究について議論したことがあり、私はフルブライト・スペシャリストとしてルクセンブルクで行った活動を含む研修プログラムで、彼の好奇心アセスメントを活用してきた。

カシュダンの研究は、好奇心のレベルを測定することと、好奇心がウェルビーイング、学習、探索にどのように影響するかに焦点を当てている。彼の研究に関連するツールのひとつが、人が好奇心をどのように経験するかのさまざまな側面を測定する「5次元好奇心尺度(Five-Dimensional Curiosity Scale:5DC)」である。彼の研究は私自身の研究と補完し合う関係にある。カシュダンの尺度が好奇心のレベルを測るのに対し、私の研究は好奇心を阻害する要因を特定し、それを克服することに焦点を当てている。両方のアプローチを組み合わせることで、組織はまず好奇心のレベルを測定し、次に人々が問いを発したり、アイデアを探究したり、前提に挑戦したりするのを妨げる障壁に対処することができる。

トーマス・アントワーヌ・ウィリアムズは、著書『Curiosimply』のなかで、自己成長の文脈における好奇心に焦点を当てている。彼は本書を執筆する前、私がフルブライト・スペシャリスト賞の一環としてルクセンブルクで行った研修に参加しており、テーマへの情熱と、好奇心をより深く探究しようとする姿勢に感銘を受けた。彼の研究は、好奇心が制約的な思い込みを問い直し、以前に切り捨てたかもしれないアイデアや目標と再びつながる助けとなることを探究している。人が自分の前提や可能性についてより好奇心を持てるよう促すことで、彼は好奇心が個人に人生の新たな方向を追求する動機を与える力を持つことを浮き彫りにしている。

これらの思索家たちを見渡すと、あるパターンが明確に浮かび上がる。それぞれの好奇心のエキスパートは異なる角度からこのテーマにアプローチしているが、その結論の多くは重なり合っている。好奇心はより深い問い、より強固な学び、より創造的な問題解決を促す。私自身の研究では、意図的に好奇心の文化を築いた組織は、しばしば測定可能な成果を上げていることを見出した。実際、約80%の組織が年間10万ドル(約1590万円)以上の節約を報告し、大規模な組織では年間100万ドル(約1億5900万円)以上の節約を報告している。これは、チームがコミュニケーションをとり、前提を問い、問題を解決する方法において好奇心を強化した結果である。好奇心はまた、リーダーシップの対話や組織のイノベーションにおいて中心的な役割を果たしている。長年にわたり好奇心のエキスパートにインタビューし、彼らの研究を学んできたなかで、ひとつのはっきりとした教訓が浮かび上がる。好奇心は成長の中心にあるということだ。個人や組織が問い、探索、学びを奨励するとき、適応し改善する能力は拡張される。好奇心を促すことは、リーダーが人々の思考、コミュニケーション、問題解決のあり方を強化するうえで、最も強力な方法のひとつかもしれない。

forbes.com 原文

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