モーターの供給を誰が握るのか
Atlas Motionが実現しようとしていることは、サプライチェーンのあり方にも及ぶとモーチェンは話す。
現在、世界中のドローンやロボットの大部分は、中国製のモーターやアクチュエータで駆動している。同社は、単一供給源への依存を米国が抱える最も深刻な脆弱性の一つと捉えている。
「フィジカルAIの時代において、製造能力を自国に取り戻し、その主権を維持することが、我々の業界にとって次の重要な課題だと考えている」と彼は述べる。
しかし、Atlas Motionは採算を合わせるために米政府の支援に頼るつもりはない。「持続可能なビジネスモデルを構築するために政府の補助金に依存したくない」とモーチェンは語る。同社はまた、独立系の開発者が煩雑な企業向けの調達手続きを経ることなく、量産仕様のモーターを直接購入できるよう、オンラインストアを開設している。
同社は、設計と試作をカリフォルニア州ロングビーチで行っているが、量産拠点はフィリピンに置いている。モーチェンは、フィリピンが長年に渡る米国の条約同盟国であることや、Atlas Motionが取得している貿易関連の認定がリスクの緩和につながると指摘するが、完成品を輸入することで関税の影響を受ける可能性は残る。また、同社が解決を掲げる地政学上のリスクから、自らも完全に無縁でいられるわけではない。
注視すべきデータ
Atlas Motionが公表している数値は目を引く。同社によれば、現在は月1万個のモーターを生産しており、12月までに4万個を超える見込みだという。同社は今年2月に設立されたばかりだが、60日足らずで最初のモーターを出荷し、現在の生産能力も既に受注で埋まっているという。
ただし、同社は顧客名を一切明らかにしていない。買い手は防衛関連企業であるため、同社の主張を外部から検証することはできない。それでも、同社が急速に事業を展開していることは明らかだ。
「ハードウェアがソフトウェア並みのスピードで進化していくのを見るのはすばらしい。今後5年から10年が、最も重要な時期になると考えている」とモーチェンは話す。
今回のラウンドはグレイクロフトが主導し、アルソ・キャピタル、エネア・キャピタル、マナ・ベンチャーズ、サンフラワー・キャピタルに加え、AMCAのCEOであるジャイ・マリクやフォルテラのCGOであるスコット・サンダースなどのエンジェル投資家も参加した。


