マーク・ザッカーバーグは米国時間8月10日、AIが今後どこへ向かうかを論じた長文の書簡を公開した。書簡では「個人へのエンパワーメント」に重心を置いた広い戦略を訴え、AIが社会へ深く組み込まれていく局面を踏まえて、米政府にさらなる規制を求めた。
書簡は「The Future is for Everyone: The Path to a Positive AI Future(未来はすべての人のためにある:前向きなAIの未来へ向かう道)」と題し、約6500語に及ぶ。ザッカーバーグは、一部のオープンソースAIモデルについて公開を近く再開する旨を記した。オープンソースは「人々に力を与えるうえで前向きかつ重要な力」だとして、ザッカーバーグは支持する姿勢を改めて示した。書簡と同じ8月10日には、パラメーター数300億のモデル「Muse Glimmer」が公開された。Apache 2.0ライセンスの対象は学習済み重みで、学習データと学習コードは公開していない。重みのみを開放するオープンウェイトモデルにあたる。
【編注】マーク・ザッカーバーグの書簡では一貫して「オープンソース」としているが、実態としてはオープンウェイトを指している模様。Open Source Initiative(OSI)によるオープンソースAIの定義とは異なる
技術がどのような形を取っていくかについては、利用者自身が責任を担うべきだとザッカーバーグは説く。そのうえで「超知能という力がごく少数の個人や企業、政府、あるいはAI自身に握られれば、それ以外のすべての人にとって望ましくない結果へ自然と行き着く」と論じた。 「ほかの大半のAI研究機関は、企業や政府をはじめとする組織に向けてAIを構築している。そうした研究機関が主導すれば、力の均衡は個人よりも大きな組織へ有利に傾く」とも書いた。
蒸留を有害視する見方に反論、観察できるものから学ぶ原則を擁護
蒸留とは、より強力なモデルから知識を移し替え、小型で新しいモデルを作り出す手法を指す。トランプ政権はこの手法に難色を示しているものの、ザッカーバーグはもっと好意的に受け止められるべきだと訴えた。「蒸留を有害なものとして描こうとする向きもある。ただ、観察できるものからは何であれ学べるという原則を守ることが重要だと考えている」。
データセンター周辺の地域社会を支えるため、1590億円規模の新基金を創設
メタは、自社データセンター周辺の地域社会を直接支えるため、10億ドル(約1590億円)を投じる新基金「Future Is For Everyone Fund」を立ち上げる。ザッカーバーグはこれら施設について、「世界で最も水効率が高い部類に入るよう設計されている」とも述べた。



