弁護士の関与と医療費高騰が、対人賠償のコストを押し上げる
CCCによると、対人賠償にかかる請求頻度は過去2年で11%上昇し、1件あたり費用は直近1年で10.3%、過去4年では32%も跳ね上がった。CCCは、車の衝突事故が増えたわけでも、深刻になったわけでもないと分析する。変化が起きたのは、けがの賠償を取り巻く社会環境だという。
CCCで賠償責任保険分野の業界分析を統括するエリック・バーンセンは、家計に余裕がないこと、医療費が上がったこと、法廷戦術が攻撃的になったことが重なり、けがを申し立てて訴訟に踏み切る誘因が強まったと指摘する。言い換えれば、人々は訴訟に勝ちやすくなり、勝てば医療費を自分だけで背負わずに済む。
保険会社の側から見ると、弁護士が関与する割合が高まり、示談交渉は長引き、法務費用と医療費が膨らむ。対人賠償の請求は、それだけ高くつくものへ変わってきた。
自動緊急ブレーキが軽い事故を減らし、重い事故が残る
事故そのものを見ると、深刻な衝突事故の件数は大きく変わっていない。変わったのは軽い事故だ。自動緊急ブレーキに代表される先進運転支援システム(ADAS)が、低速で起きる軽微な接触事故を実際に減らしてきた。そして軽い衝突が減った分だけ、残る請求全体は、けがにつながりやすい激しい事故へと偏っている。
コスト削減で復活したGEICO、第2四半期に一転して減益
GEICOは2026年に入る時点で、バークシャー・ハサウェイで好調な事業の1つだった。引受赤字が続いた時期を抜けるために大幅なコスト削減と保険料引き上げに踏み切り、収益力を取り戻していたからだ。その立て直しがあっただけに、第2四半期の反転は際立つ。2026年上半期にガイコが計上した引受費用は、前年同期比28.3%増と急激に膨らんだ。
報告書は、2026年上半期に大規模な自然災害損失がなかったことも示している。つまりGEICOが抱える不振は天候によるものではなく、純粋に事業運営から生じている。バークシャーの事業全体では、6月30日時点で現金と米短期国債を3592億ドル(約57兆1000億円)保有している。保険フロート、すなわち保険契約で引き受けた正味負債として保険金支払いまで運用に回せる資金も、約1775億ドル(約28兆2000億円)に達した。この分厚い財務的な緩衝材が、ガイコの引受成績がどれほど急速に劣化したかを覆い隠している。
バフェットは2025年末に95歳でCEOを退き、会長に残る
「オマハの賢人」として知られる投資家ウォーレン・バフェットの保有資産は、8月10日時点で推定1514億ドル(約24兆1000億円)。世界で10番目の富豪にあたる。バフェットは1965年、経営不振の繊維会社だったバークシャー・ハサウェイを掌握し、巨大な持ち株会社へと育て上げた。2025年12月末、95歳でCEOを退いたが、取締役会長にはとどまっている。


