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欧州

2026.08.11 08:00

砲兵は死なず──「ドローン万能論」の陷阱

ウクライナ南部ザポリージャ州オリヒウ方面で、散弾銃とみられる小銃を構えた兵士による対ドローン(無人機)防護を受けながら、射撃任務に臨むロシア軍のノーナ-S自走砲とされる画像。ロシア国防省が2026年4月6日、テレグラムに投稿した動画から

火砲はドローンでは容易に代替できない役割も果たしている。攻勢作戦では、強襲に先立って敵陣地の制圧や防御拠点の無力化、戦場の形成を行う能力が必要になる。1個砲兵中隊は広い範囲に持続的に火力を投射し、複数の目標を同時に攻撃できる。さらに、砲弾は樹木や軽構造物を貫通した後に炸裂することが可能なので、ドローンでは到達が困難な目標も攻撃できる。

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火砲は物理的な破壊だけでなく、敵の移動を抑制したり、指揮統制を混乱させたり、あるいは兵站能力を低下させたりするのにも不可欠である。さらに、敵部隊を長時間にわたって掩蔽状態に留め置くのにも欠かせない。

ドローンが飛び交う環境下での砲兵運用

歴史的に、砲兵部隊は「シュート・アンド・スクート(撃ってすぐ離れる)」と呼ばれる戦術を採ってきた。これは文字どおり、榴弾砲などが射撃任務を遂行すると、即座に陣地を移動し、敵の対砲兵射撃の回避を図るという運用法である。このプロセスはドローンの普及を受けて加速している。

現在の戦場では、偵察ドローンがいたるところを飛び回り、砲兵陣地を捜索している。ひとたび砲兵部隊を発見すると、ドローンは砲兵射撃や徘徊型弾薬による攻撃、爆撃ドローンによる爆撃を指示・誘導する。さらに光学機器やサーマルイメージング(熱画像)技術、画像処理技術の進歩により、砲兵部隊が長時間にわたって隠蔽し続けることはますます困難になっている。したがって、隠蔽に加え、機動性や迅速な陣地転換が砲兵部隊の生存性を左右するきわめて重要な要素になっている。

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ロシア、ウクライナ両軍の砲兵部隊は、隠蔽と迅速な移動を組み合わせることで適応してきた。多くの場合、自走榴弾砲は、射撃支援任務を命じられるまで安全な陣地に隠れて待機する。命令が下ると、あらかじめ準備された射撃陣地に移動し、素早く数発を発射し、ただちに再移動する。

ロシア国防省が公開した動画では、榴弾砲が陣地に展開して射撃を行う際に、砲兵部隊が散弾銃を装備した警戒要員を配置し、接近するドローンを監視させている様子が確認できる。ウクライナ防衛軍部隊もおおむね同様の手法を採用しており、迷彩・偽装、分散した射撃陣地、迅速な陣地転換を活用して敵への露出の低減を図っている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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