ドローン(無人機)は現在、ロシア・ウクライナ戦争の戦場で人員の損耗の70~80%をもたらしており、火砲に代わって「戦場の王」の座を占めつつあるように見える。この変化は一見、ロシア、ウクライナ両軍において、火力投射の主要手段が伝統的な火砲から最先端のドローンに置き換わったことを示しているように映る。
だが現実には、ドローンは火砲と同等の火力を実現できず、火砲はいまだにロシア、ウクライナ両軍の戦闘作戦の中核を担っている。上に述べたような変化が起こったのは、ドローンが火砲より優れているからではなく、ドローンによって火砲の運用が以前よりはるかに難しくなったためである。双方ともドローンを広範に用いて敵砲の位置を探り出し、攻撃を加えている。そのため砲兵部隊は、透明性が高まる戦場で生き残りつつ、制約を受けながらも引き続き火力を投射していくために、戦術の適応を強いられているというのが実情である。
現代の戦場における火砲の重要性
ドローンは使用が拡大しているものの、依然としていくつかの制約がある。まず、ペイロード(有効搭載量)、バッテリー持続時間、機動性、飛行速度の間に本質的なトレードオフが存在する。それゆえ多くのドローンは、装甲車両や築城陣地をはじめ、堅固な目標を確実に破壊するのに必要なペイロードを欠いている。
ドローンは天候や地形、電子戦(EW)などの影響も受けやすい。さらに、ドローンの運用はいまも基本的に、操縦士1人がドローン1機を操縦するという方式に依存している。したがって、複数のドローンを用いた大規模な攻撃を連携して実施するのは容易ではない。
こうした事情から、ドローンと火砲はそれぞれ互いの代替手段として使われるというよりも、組み合わせて運用されることが多い。ドローンによって生み出されている効果の多くも、実際には最終的な撃破は火砲が担っており、ドローンが目標を発見し、続いて砲兵部隊が砲撃を加えて破壊効果をもたらすという形が一般的である。
ロシア国防省は、偵察ドローンによって発見されたウクライナ側陣地を砲兵部隊が攻撃する様子を収めた動画を連日公開している。同様に、ウクライナ防衛軍の各部隊も、ドローンと砲兵が連携してロシア側の目標を攻撃する様子を撮影した動画をソーシャルメディアに投稿している。



