休暇明けの仕事の落ち込み(スランプ)は本当に存在するのだろうか。何週間も前から休暇へのカウントダウンを始め、のんびりとした朝、午後のスイミング、ゆったりとした夕食、そしてメールやチャットの通知、カレンダーの予定から解放される日々を思い描く。そうして過ごした休暇が終わり、突然、月曜日の朝がやってくる。
リフレッシュして活気に満ちているはずが、オフィスの喧騒に耳を塞ぎたくなり、頭にモヤがかかったような状態で受信トレイを見つめることになる。普段なら10分で終わる仕事が急に複雑に感じられ、小さな決断を下すことさえひどく疲れを伴う。自分の仕事の進め方を忘れてしまったのではないかとさえ思うかもしれない。
「休みボケ(バケーション・ハングオーバー)」とは何か?
心当たりがあるなら、それは「休みボケ(バケーション・ハングオーバー)」かもしれない。これは、休暇を終えて職場に復帰する際に生じる心理的な調整局面のことだ。キャリアプラットフォーム「My Duvet Flip」の創業者でキャリア専門家のジャック・パーソンズは、この現象は必ずしも休暇によるリフレッシュ効果がなかったことを意味するわけではないと指摘する。
むしろ逆である可能性が高い。脳が、1日を通して要求されることや決断、入ってくる情報が少ない状態に慣れてしまったのだ。そこに、未読メールで溢れかえった受信トレイ、予定が詰まったカレンダー、優先順位のつけづらい大量のタスクが並ぶ職場に戻るとなれば、それ相応の心理的な適応期間が必要になる。
休暇中、通常の労働日のように絶え間なく意思決定を迫られることはない。決めることといえば、どこで昼食を食べるか、どのビーチに行くか程度だ。それがほぼ一晩明けただけで、プロジェクトの優先順位をつけ、同僚に返信し、会議に出席し、問題を解決し、割り込み業務に対処し、緊急に見える無数の要望の中から本当に重要なものを見極めることを求められるようになる。
パーソンズによれば、この休みボケは時差ボケとは異なる。タイムゾーンをまたぐような旅行をしていなくても起こるものだ。むしろ、比較的自由な状態から、持続的な注意力や意思決定、問題解決が求められる環境へと、心理的に急激に切り替えなければならないことの表れなのだという。
こうした心身の重さを「怠慢」や「モチベーションの低下」と受け止めてしまうこともあるが、脳は単にギアを切り替えている最中なのだ。多くの場合、復帰した瞬間にフル稼働できると思い込むことで、自らこの移行期をより困難なものにしてしまっている。
午前中のうちにすべての未読メールに返信しようとしたり、予定を会議でいっぱいにしたり、不在中の出来事をすべて一度に把握しようとしたりする。しかし、そうしたアプローチは仕事を軌道に乗せるどころか、むしろ「すでに遅れをとっている」という感覚を強める結果になりかねない。



