青井氏はまず、ふたりがターゲットと課題を明確にしていることを評価。そして、「我々も小売業をやってきた。お客様は安心安全に必要なものを手に入れられることに加え、『会話ができる』ことを喜んでくださったりする」と自身の経験を紹介し、利用者とのコミュニケーションを大切にするようアドバイスした。
田丸氏も料理教室事業で得た経験を踏まえ、「人はやっぱり人に会いにいくし、人を魅力的に感じる」と共感。ふたりの存在そのものがサービスの利用拡大につながる可能性を示した。
2校目の岐阜県立多治見北高等学校は、3年生の生徒3名が発表。同高がある多治見市は、国内で陶磁器生産のシェア50%超を占める美濃焼の産地として知られる。3名が向き合ったのは、地元の窯業が抱える廃棄物の問題だった。
国内では、年間約15万トン(推定)の陶磁器が不燃ごみなどとして回収され、埋め立て処分されている。そして性質上、自然分解されないため、最終処分場を圧迫する原因のひとつになっている。3人が発表したのは、その解決策となりえる「TSUCHI LOOP」だ。
「TSUCHI LOOP」は、使用済みの陶磁器を粉砕して原料とした土壌改良剤。陶磁器は細かな凹凸をもつほか、イネ科植物などの強度向上に役立つとされる二酸化ケイ素(シリカ)を多く含む。「TSUCHI LOOP」ではこれらの特徴を生かし、土壌の保水性向上に加え、陶磁器中のシリカをアルカリ処理によって植物が吸収できる可溶性ケイ酸へと変換することで、植物の強靱化につなげる効果を狙う。
すでに陶磁器の凹凸を生かし、土の保水性を高める効果については実験で実証済み。一方で、可溶性ケイ酸への変換や植物の強靱化効果については、今後、検証する予定だという。
青井氏は、「陶磁器の産地でそれをつくって捨てるだけではなく、資源として生かして行こうとするSDGsの視点が素晴らしい」とコメント。田丸氏は「農業や陶芸、環境など、さまざまな分野の関係者を巻き込んでいく必要がある。ステップ・バイ・ステップでスケジュールや実現にかかる予算、誰に頼るのかも考えていくといいと思う」と、商業化を視野に入れた進め方をアドバイスした。



