AIスマートフォンの操作は「大きな3つの道筋」に分かれていく
プルナスキー氏は、AIによってスマートフォンの操作が大きく3つの方向に分かれていくと説明する。
ひとつはSNSや動画を見るといった、今後もユーザーが「現在と同じように」操作するものだ。2つめは、複数のアプリとステップを必要としていた作業が1回のタップに集約される方向。そして3つめが、現在はユーザー自身が行っている作業を、将来はスマートフォンが自動的に処理する方向だ。
Pixel 11の情報カードは、このうち2つ目の「複数ステップの1タップ化」に位置づけられる。現段階では、AIがレストランの予約や予定の登録までを独断で完了するわけではない。必要になりそうな情報と選択肢を提示し、実際に行動するかどうかの判断はユーザーに委ねられている。
それでもユーザーが自らアプリを探して情報を集める従来の操作から、AIが次の行動を予測して準備する体験が増えれば、スマートフォンと人との関係は確実に変わり始めるだろう。
プルナスキー氏は「将来のよりエージェンティックな体験を支えられるように、今日のPixelを開発している」と語る。Google Pixel向けに定期配信される機能アップデート「Pixel Drops」や、Geminiのアップデートを通じて、現在は1タップを必要とする操作が今後さらに自動化される可能性もある。
見る・話す・聞く、デバイスごとに最適化されたGeminiとの接点
Gemini Intelligenceの展開先はスマートフォンだけではない。グーグルはスマートウォッチやイヤホンを、それぞれ異なる特徴を持つAIのインターフェースとして捉えている。
クレムズ氏は、スマートウォッチには画面が小さいという制約がある一方、「常にユーザーの手首に装着されている」という大きなアドバンテージがあると説明する。
Pixel Watchでは、装着した手首を持ち上げて話しかけるだけでGeminiを呼び出せる「手をあげて話す(Raise to Talk)」というユーザーインターフェースが、Geminiを利用する独自の特徴的な手段になっているという。スマートフォンをポケットから取り出すことなく、短い質問や操作を素早く済ませたい場面に適している。
Google Pixel Budsのようなワイヤレスイヤホンも独自の役割を持つ。画面はないが、周囲の人に内容を見られることなく、音声だけでGeminiの回答を聞けるからだ。Pixelスマートフォンと組み合わせた双方向のライブ翻訳も、音声を中心とするインターフェースだからこそ自然に利用できるAI体験のひとつだ。
つまりグーグルは、すべてのデバイスに同じGeminiとの接点をつくろうとしているのではない。スマートフォンは豊富な情報を大きな画面に表示し、ウォッチは短いやり取りと即時性を担う。そして、イヤホンは画面を必要としないプライベートな音声インターフェースになる。身体との距離や利用場面に応じて、AIの役割を変えている。


