ある統計がソーシャルメディアをにぎわせた。KPMGによれば、コストが効果を上回ったことを受けて、AIエージェントの導入を先送りしたり規模を縮小したりした経営層が半数近くにのぼるという。
予測市場(将来の出来事が起きるかどうかを売買し、その価格が発生確率を示す市場)のPolymarket(ポリマーケット)もこの数字を取り上げ、年末までにAIバブルがはじける確率をおよそ15%と見積もる自社の市場とあわせて拡散した。
まず、この数字がどこから来たのかを押さえておきたい。
出典はKPMGのGlobal AI Pulseの2026年第2四半期版だ。年間売上高5000万ドル(約79億円)を超える企業の上級幹部2145人を、20カ国で対象にした調査だ。このなかで、運用コストが効果を上回ったためにAIエージェントの導入規模を縮小したと答えた経営層が49%を占めた。
その一方で、AIを引き続き投資の最優先事項に挙げた経営層は79%にのぼり、前四半期の74%から増えている。AI関連支出の平均額も1億8800万ドル(約297億円)で横ばいを保った。
AIが「日常業務の一部になっている」と答えた企業の割合は、第1四半期の13%から22%へ跳ね上がった。KPMGの成熟度カーブ(maturity curve。企業のAI活用の進み具合を段階で表した尺度)のどの段階と比べても、四半期あたりの変化としては最大の動きである。
アジア太平洋地域では、AIがすでに事業上の意味のある価値を生んでいると答えた企業が81%に達し、3カ月前の69%から伸びた。
つまり、エージェントへの投入を絞っている企業は、そこから手を引こうとしているわけではない。どう組み直すかを考え始めているのだ。



