ライフスタイル

2026.08.18 07:15

年だからと諦める人ほど孤独に 日常に潜むエイジズムの危険性

AdobeStock(写真はイメージです)

エイジズムと孤独感、ストレスとの関連

さらに、開発したEAS-Jを用いて評価したところ、日常的に年齢による偏見や差別を多く経験している人ほど、孤独感やストレスが高い傾向がみられた。なかでも注目されるのが、「内面化されたエイジズム」だ。内面化されたエイジズムは、3つのエイジズムのなかで孤独感との関連が最も強く、心の健康度(ウェルビーイング)や自尊心の低さとも関連していた。今回の研究で示されたのは、あくまでこれらの「関連」であり、内面化されたエイジズムが孤独感やストレスを引き起こすといった因果関係を示したものではない。

advertisement

研究チームは今後、年代や地域、生活環境による違いや、健康との長期的な関係を明らかにするとともに、教育プログラムや世代間交流など、エイジズムを減らす取り組みの評価にEAS-Jを活用したいとしている。

年齢による偏見や差別というと、周囲から向けられるものを想像しがちだ。しかし今回の研究で扱われているエイジズムには、自分自身が「年を取れば仕方ない」と後ろ向きな年齢観を自分に当てはめる「内面化されたエイジズム」も含まれている。そして今回、この内面化されたエイジズムは、3つのエイジズムのなかで孤独感との関連が最も強いことが示された。「年齢のせいだから」と自分自身で可能性を狭めてはいないか。日常に潜むエイジズムを知ることは、他者に向ける年齢観だけでなく、自分自身のなかにある年齢観を見つめ直すきっかけにもなりそうだ。

【論文情報】
タイトル:Development and Psychometric Validation of the Japanese Version of the Everyday Ageism Scale (EAS-J) Among Older Adults
著者:Kenjiro Kawaguchi, Chie Koga, Ayae Yamada, Isaku Kurotori, Hiroki Takeuchi, Lingling, Atsushi Nakagomi
掲載誌:Geriatrics & Gerontology International
DOI:10.1111/ggi.70641

advertisement

【参考文献】
タイトル:The Everyday Ageism Scale: Development and Evaluation
掲載誌:Journal of Aging and Health
DOI:10.1177/08982643211036131

出典元:千葉大学「日常に潜む年齢による偏見を可視化する『EAS-J』―米国発の評価尺度を日本文化に最適化・孤独感やストレスへの影響を解明―」(2026年8月6日発表)

プレスリリース

文=福島はるみ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事