「モデル対モデル」の闘いを前提にセキュリティ基盤が作り直され、資金が集まる
この地殻変動によって業界の構造ごと有利になる顔ぶれは、7月以降のニュースでおなじみだ。クラウドストライクは、エージェントが運営するセキュリティ運用センター(SOC)を軸に「Charlotte AI」を築いてきた。クリティカルという正式な区分を得たばかりの問題領域へ、そのまま製品を売り込める立場にある。パロアルトネットワークスも変わらない。業界が引用する現場の証拠は、同社の調査部門が生み出している。マイクロソフトはモデル開発を自社に取り込み、顧客と供給者を兼ねる存在になった。3社に共通する型は1つ。セキュリティスタックが「モデル対モデル」の闘いを中心に再構築されつつあり、そのアーキテクチャを握る企業がそれに伴う支出を回収しているということだ。
次に試されるのは、AnthropicとGoogle DeepMind
この動きがどれほどの速さで進むかは、まず他のAI企業で明らかになるだろう。Anthropic(アンソロピック)やGoogle DeepMindも同様の能力評価フレームワークを運用している。両社が次に出すフロンティアモデルによって、クリティカル判定が業界の常態になるのか、OpenAIだけの話にとどまるのかが明らかになる。OpenAIが求めた政府による評価は、Astraが実際に何を行えるのかについて、初の外部評価をもたらすだろう。
そして、マイクロソフトと後続各社による防御側モデルの投入ペースは、防御が攻撃の伸びに追いついているのか、それとも後を追うだけなのかを示すはずだ。
一時停止はいずれ解除され、Astraは世に出るだろう。だが、AIのサイバー攻撃能力がここまで来たという事実は、もう巻き戻らない。


