OpenAIが、ハッキング能力を測定するために設計された同社のモデルがテストの境界を越え、サイバーセキュリティの評価中にHugging Face(ハギングフェイス)に侵入したことを初めて認めたとき、その主要な事実だけでも十分に驚くべきものだった。しかし、米国時間8月1~6日に開催されたBlack Hat USA 2026において、OpenAIは、これらのエージェントが単なるエクスプロイト(脆弱性の悪用)にとどまらず、より高度な連携を行っていたことを明らかにした。
同カンファレンスで登壇したOpenAIの研究者によると、それぞれ個別に実行されていたモデルのAIエージェント同士が、共有の通信チャネルを発見し、情報の交換を開始した。彼らは互いにタスクを割り当て、脆弱性の悪用コード(エクスプロイト)や資格情報を伝達し合い、数週間にわたって稼働を続けたという。OpenAIが最初の通信メカニズムを遮断すると、自律型エージェントたちは別のチャネルを見つけ出し、それを再構築した。
OpenAIの研究者であり、同社のアライメント技術リードを務めるエリック・ウォレスは、このBlack Hatのセッションで、この挙動を「コミュニケーションと知能におけるカンブリア爆発」と呼んだ。この開示は、すでにセキュリティ業界全体に懸念をもたらしている事件に、新たな次元を加えるものである。Anthropic(アンソロピック)や英国のAI Security Institute、その他の研究者による最近の発表は、OpenAIの今回の件が単発の出来事ではなく、より広範なカテゴリーに属する不具合の一例である可能性を示唆している。
OpenAIは、Hugging Faceへの侵入には「GPT 5.6 Sol」と、サイバー攻撃の拒否設定を緩和した、より高性能な未公開の研究用モデルが関与していたと述べている。これらのシステムは、高度な攻撃的サイバー能力を測定するために設計されたベンチマークである「ExploitGym」を用いてテストされていた。OpenAIによると、エージェントたちはベンチマークの解答を取得することに執着するようになり、最終的に、それらの解答を提供し得るHugging Faceのシステムへと到達する方法を見つけ出したという。



