NEWS Forbes JAPAN MEMBERSHIP 新機能|
記事ページ内の広告表示を最小限にしました

サイエンス

2026.08.10 18:00

会話中に上の空になる人は「知性が高い」、脳のリソースを思考に割く心理学的背景

stock.adobe.com

stock.adobe.com

「上の空(注意散漫)」であることは、職場や社会においてあまり良い評価を受けない。不注意や無秩序、やる気のなさと同じカテゴリーに分類され、そうした態度を見せる人は、まるでサボっているところを見つかったかのように謝罪することが多い。その根底には、頭の切れる人なら、会話、スケジュール、近づいてくる人の名前など、あらゆる方向に同時に神経を尖らせているはずだという思い込みがある。

しかし、注意の働きは投光器(フラッドライト)のようにはいかない。それは一定の明るさを持つスポットライトのようなものであり、どこか1カ所を照らせば、必然的に別の場所から光がそれることを意味する。一見、頭のスイッチが切れているように見えても、実際には周囲の目に見えない場所で、頭のスイッチが激しく入っていることが少なくない。

記憶の研究者たちは、この違いを明確に区別している。ダニエル・シャクターが提唱した日常的な記憶ミスの有名な分類(学術誌『Memory』に掲載された2021年の研究で再検証されたもの)では、上の空は記憶機能の障害ではなく、注意と記憶が交わる時点でのエラーと説明されている。つまり、情報が届いた瞬間に注意が別の場所に向いていたため、その情報が十分に符号化(記憶の書き込み)されなかっただけなのだ。

ここでは、そうした習慣を2つ紹介し、その背景で実際に起きていることについて解説する。

習慣1:頭の中の思考を追いかけるうちに、会話の脈絡を見失う

誰かに質問されてから、答えるまでに一呼吸以上の間(ま)があく。視線は別の方向を向いている。これは失礼、あるいは退屈、もしくは注意力の持続時間が短いと受け取られがちであり、実際にそういうこともある。しかし、多くの場合、真相は逆だ。

実際に起きている現象には「マインドワンダリング(心の迷い込み)」という名前がある。これは注意が外部環境から自己生成された内的な思考へと移行する状態を指す。五感は開いたままだが、情報処理のリソースが内側に引き込まれるため、相手が言った最後の2つの文が本当に頭に入ってこないのだ。学術誌『PNAS』に掲載された2025年の研究によると、このリソースの配分は固定されておらず、動的であるという。外部のタスクが容易であるほど、脳は内部で熟考している課題に対して、より多くの思考リソース(余剰能力)を割り当てることができる。

これが重要である理由は、内なる思考は決して怠惰な状態ではないからだ。それは、人が計画を立て、未来をシミュレーションし、一見無関係なアイデアを結びつけ、これまで試したことのない角度から問題を検討するモードなのだ。

次ページ > 「生活における細かな雑務をおろそかにする」

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事