リスクを減らす
意思決定がいつまでも保留されたり、気が遠くなるほど時間がかかったりするもう1つの大きな理由は、意思決定が特にリスクが大きいからだ。現在のような不確実で複雑な環境では間違った判断の代償は大きく、重大な悪影響をもたらす可能性がある。加えて、コミュニケーション手段やSNSの普及により意思決定には以前よりも厳しい目が向けられている。判断に同意しない人がいれば、その判断は広く共有されたり、反発を招いたりすることが懸念される。
完璧な意思決定などないと自分に言い聞かせて意思決定のスピードを上げたい。段階的な判断を下して前進すれば小さな成功を収める機会を得ることができる。情報を集め、次のステップに向けて学ぶ機会も持てる。試験的に、あるいは小規模で実験したり、フィードバックを集めたりして継続的な成功につなげたい。
また、リスクとリスクが生じる可能性についても積極的に評価するといい。2×2マトリクス法を使い、起こりうる問題と、そうした状況が発生する確率を対比させ、分析に基づいて適切な判断を下すことができる。こうした慎重な検討を行わなければリスクが混同され、実際以上にリスクが大きく感じられてしまう可能性がある。さらに、誰がそのリスクを負うのかを明確にし、その人が意思決定において十分な発言権を持つようにする必要がある。
また、その意思決定によって生じる変化を効果的に管理し、変化への準備態勢を強化する必要もある。意思決定に伴うリスクの一部は、その判断が後から疑問視されたり、覆されたりするのではないかという不安からくることがある。ビジョンを掲げ、どのように移行するのかを周知する。また、現状に対して健全な不満を持てるようにし、想定されるコストに対応することで変化を管理するとよい。こうした配慮は意思決定が浸透するのに役立ち、ひいては関連するリスクを低減することにつながる。
また、測定や監視、調整を行うための体制を整えておきたい。改善や進化の余地がない意思決定こそ最もリスクが高い。だが継続的に適応するために選択肢を用意すれば、その分リスクを減らせる。


