「事前の言い訳」が役に立つケース
すべての予防線がこの悪習に該当するわけではない。制約が実際に存在することは多々あり、それを正確に指摘することは回避行動ではない。また、予期的な不安がプラスに働くことを示す確かな証拠もある。
この戦略を初めて特定し命名した、現在でもこの分野の基準となっている1986年の『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された研究によると、「防衛的ペシミズム(悲観主義)」、すなわち起こり得るあらゆる最悪の事態を想定し、それらに対して徹底的な対策を講じることは、パフォーマンスを損なうどころか、むしろ向上させる傾向があるという。両者を分かつのは、その不安が最終的に何に変換されるか、すなわち「準備」なのか、それとも「いざという時のための言い訳」なのか、という点だ。
また、この性質は本人の性格というよりも、状況に大きく左右される。このように自分を守ろうとする傾向は、自分のアイデンティティ(自己認識)がかかっている特定の分野に集中し、それ以外の分野では見られない。だからこそ、生活の大部分において極めて率直な人物であっても、特定の種類の仕事を提出するときだけは、どうしても言い訳(免責条項)を添えずにはいられないという現象が起きるのだ。
「事前の言い訳」という習慣を変える方法
全力で取り組むよう本人に促すアプローチは、失敗に終わりがちだ。なぜなら、本人が必死に避けようとしている実力の露呈というリスクを、さらに高めてしまうからだ。このパターンを崩すために本当に必要なのは、真剣に挑戦することの心理的コストを下げることである。
すなわち、小さくテストすること、言い訳なしで努力すること、そして結果によって自分の価値が判定されないようにすることだ。そして、自分の優秀さを「証明する」ことから「開発する」ことへと意識を転換できれば、大半の問題は解決する。これにより、かつては脅威に感じられた情報が、再び価値ある学習データへと変わるからだ。
今すぐできる最も小さな一歩は、事前に理由を説明するのをやめることだ。前置きなしで成果物を提出し、その結果を自己への裁定ではなく、単なる情報として受け入れてみよう。


